【2025年版】賃貸物件情報の見方|宅建士が教える読み解きポイント
目次
賃貸物件情報を正しく読み解く重要性
物件情報の項目別・読み解きポイント【10項目】
私が特に注目する項目
やってはいけないNG行動
今すぐできる最初の一歩
導入
「ネットで見たときは良さそうだったのに、実際に見たら全然違った…」
私が賃貸仲介を担当していると、このような声を本当によく聞きます。
国土交通省の「令和5年度住生活総合調査」によると、住み替えの際に重視する要素として「通勤・通学の便」「買い物などの利便」「治安」が上位を占めています。しかし、これらの情報はネットの物件情報だけでは正確に把握できません。
(参考:国土交通省「令和5年度住生活総合調査」https://www.mlit.go.jp/)
私自身、10年以上の実務経験の中で、「物件情報の読み方」を知っているかどうかで、お部屋探しの満足度が大きく変わることを実感してきました。
この記事では、SUUMOやHOME'Sなどのポータルサイトに掲載されている物件情報の正しい見方を、私の実務経験を交えて解説します。
1. 賃貸物件情報を正しく読み解く重要性
なぜ物件情報の読み方が大切なのか
賃貸物件を探すとき、多くの方はまずネットで物件情報をチェックします。SUUMOやHOME'S、アットホームなどのポータルサイトには、膨大な数の物件が掲載されています。
しかし、物件情報には**「書いてあること」と「書いていないこと」**があります。
書いてあることを正しく理解するのはもちろん、「なぜ書いていないのか」を推測する力も必要です。
私が2025年2月に担当したお客様は、「駅徒歩5分」の物件に惹かれて内見に行きましたが、実際に歩いてみると急な坂道があり、体感では10分以上かかりました。物件情報の「徒歩○分」は平坦な道を想定した計算であり、坂道や信号待ちは考慮されていないことが多いのです。
物件情報の「ルール」を知る
不動産広告には、法律で定められたルールがあります。
例えば、徒歩時間は「80m=1分」で計算されます。つまり、「駅徒歩5分」は駅まで約400mということです。
また、築年数は「新築」と表記できるのは建築後1年未満で、かつ未入居の物件のみです。
こうしたルールを知っておくと、物件情報をより正確に読み解けるようになります。
2. 物件情報の項目別・読み解きポイント【10項目】
ポイント1:家賃と管理費・共益費は「合算」で見る
物件情報には「家賃」と「管理費(共益費)」が別々に記載されています。
よくある誤解: 家賃だけを見て「安い!」と思ってしまう
正しい見方: 家賃+管理費の合計で比較する
例えば、以下の2つの物件を比較してみましょう。
物件A | 物件B |
家賃:55,000円 | 家賃:60,000円 |
管理費:8,000円 | 管理費:3,000円 |
合計:63,000円 | 合計:63,000円 |
家賃だけ見ると物件Aの方が安く見えますが、合計すると同じです。
私の経験では、管理費が高い物件はエレベーターや管理人がいるなど、共用部分の充実度が高い傾向があります。逆に管理費が安い、またはゼロの物件は、共用部分の管理が簡素な場合があります。
ポイント2:専有面積は「壁芯」か「内法」かをチェック
専有面積には2つの計算方法があります。
壁芯(へきしん): 壁の中心から測った面積 内法(うちのり): 壁の内側から測った面積
一般的に、壁芯で計算した方が面積は大きくなります。マンションの場合、壁芯と内法で5〜10%程度の差が出ることがあります。
私が2024年に担当した物件で、「25㎡」と記載されていたワンルームが、実際に測ってみると22㎡程度だったケースがありました。これは壁芯で計算されていたためです。
確認方法: 物件情報の備考欄や、不動産会社に問い合わせれば教えてもらえます。
ポイント3:間取り図の「○帖」は目安と考える
間取り図に記載されている「LDK12帖」などの表記は、あくまで目安です。
同じ「6帖」でも、地域や不動産会社によって基準が異なることがあります。また、柱や梁の出っ張りがある場合、実際に使える面積はさらに狭くなります。
(参考:スマイティ「内見のチェックポイント」2025年2月 https://sumaity.com/press/16/)
私がお客様にお伝えしているのは、間取り図の帖数ではなく、「手持ちの家具が置けるか」を内見で確認することです。
ベッドやソファのサイズを事前にメモしておき、内見時にメジャーで測ることをお勧めします。
ポイント4:築年数は「見た目」より「構造」を重視
「築20年」と聞くと古く感じるかもしれませんが、構造や管理状態によって住み心地は大きく変わります。
築年数で確認すべきポイント:
①1981年以降か:新耐震基準が適用されている ②2000年以降か:木造住宅の耐震基準がさらに強化されている ③リフォーム履歴:内装がリフォームされていれば、古さを感じにくい
私の経験では、築30年でもリフォーム済みで快適な物件もあれば、築10年でも管理が悪く住みにくい物件もあります。
築年数だけで判断せず、写真や内見で実際の状態を確認することが大切です。
ポイント5:「駅徒歩○分」は平坦な道を想定
先ほど触れましたが、徒歩時間は80m=1分で計算されています。
しかし、これには以下の要素が含まれていません。
坂道
信号待ち
踏切
階段
私が静岡市で物件を案内する際、葵区の北部や駿河区の丘陵地帯では、表記よりも実際に歩くと時間がかかるケースが多いです。
対策: 内見時に実際に駅まで歩いてみる。Googleマップのストリートビューで事前に道のりを確認する。
ポイント6:「南向き」でも日当たりが悪いケースがある
「南向き」と書いてあれば日当たりが良いと思いがちですが、周囲の建物によっては日が入らないこともあります。
(参考:スマイティ「内見のチェックポイント」2025年2月 https://sumaity.com/press/16/)
私が2025年1月に案内した物件は「南向き」でしたが、目の前に5階建てのマンションがあり、日中でも暗い印象でした。
確認すべきポイント:
周囲に高い建物がないか
建設予定地がないか(更地がある場合は要注意)
内見は日中に行く
ポイント7:「オートロック」の種類を確認
「オートロック」と記載されていても、セキュリティレベルはさまざまです。
暗証番号式:番号を知っていれば誰でも入れる
カード式:カードがないと入れない
顔認証式:最新のセキュリティ
また、オートロックがあっても、裏口や非常階段から侵入できる構造の物件もあります。
私が女性のお客様を案内する際は、オートロックの有無だけでなく、エントランス周辺の構造もチェックするようお伝えしています。
ポイント8:設備欄の「エアコン」に注意
設備欄に「エアコン」と書いてあっても、以下の点を確認してください。
①エアコンの年式 2010年以前のエアコンは、最新のものと比べて消費電力が大きく、電気代が割高になることがあります。
(参考:OHEYAGO「賃貸物件の内見のポイント」https://oheyago.jp/articles/naiken_point/)
②「設備」か「残置物」か 設備なら故障時は大家さんが修理してくれますが、残置物扱いの場合は自己負担で修理・撤去しなければなりません。
私が担当した物件で、「エアコン付き」と思っていたら残置物で、故障時に修理代3万円を請求されたケースがありました。
ポイント9:「敷金・礼金ゼロ」の裏側を見る
「敷金・礼金ゼロ」は初期費用を抑えられる魅力的な条件ですが、退去時や月々の負担が大きくなるケースがあります。
確認すべきポイント:
退去時のクリーニング代が別途かかるか
月々の家賃が相場より高くないか
短期解約違約金が設定されていないか
私の経験では、敷金ゼロの物件で、退去時に10万円以上の原状回復費用を請求されたお客様がいらっしゃいました。
初期費用だけでなく、トータルでお得かどうかを判断することが大切です。
ポイント10:写真と現実のギャップを意識する
ネットに掲載されている写真は、広角レンズで撮影されていることが多く、実際より広く見えることがあります。
また、明るく加工されている場合もあり、実際の日当たりを反映していないこともあります。
(参考:ニッショー「賃貸物件の内見チェックポイント」https://www.nissho-apn.co.jp/chintai/magazine/viewing-checklist-point.html)
私がお客様にお伝えしているのは、「写真は参考程度」と考え、必ず内見で確認することです。
3. 私が特に注目する項目
「情報の更新日」を必ずチェック
私が物件情報で最も注目するのは、情報の更新日です。
更新日が1ヶ月以上前の物件は、すでに成約済みの可能性があります。いわゆる「おとり物件」の可能性も否定できません。
私が静岡市で物件を探すお客様にお伝えしているのは、更新日が2週間以内の物件を優先的に見ることです。
「備考欄」に重要な情報が隠れている
物件情報の下部にある「備考欄」や「その他」の欄には、重要な情報が記載されていることがあります。
よくある記載例:
「楽器不可」
「ペット相談可(小型犬1匹まで)」
「2年未満の解約は違約金1ヶ月分」
「保証会社加入必須」
私が2024年に担当したお客様で、備考欄の「楽器不可」を見落として契約し、後からピアノが弾けないと気づいたケースがありました。
備考欄は必ず読み、気になる点は不動産会社に確認しましょう。
【Authentill Styleからのお知らせ】
静岡市で賃貸物件をお探しの方、物件情報の見方で迷っている方は、ぜひ一度ご相談ください。物件情報だけではわからない「本当の住み心地」を、地元密着の視点でお伝えします。
4. やってはいけないNG行動
NG①:写真だけで決める
先ほども触れましたが、写真は実際より良く見えることが多いです。
「写真が綺麗だから」という理由だけで契約すると、後悔する可能性が高まります。
私の経験では、写真と現実のギャップが最も大きいのは**「広さ」と「日当たり」**です。
NG②:1つの項目だけで判断する
「駅徒歩3分だから」「築浅だから」など、1つの項目だけで物件を決めてしまうのは危険です。
例えば、駅徒歩3分でも、線路沿いで騒音がひどい場合があります。築5年でも、管理が悪く共用部分が汚れている場合があります。
複数の項目を総合的に見て判断することが大切です。
NG③:内見せずに契約する
最近はVR内見やオンライン内見も増えていますが、私は必ず現地で内見することをお勧めしています。
2025年2月のスマイティの記事でも、内見で確認すべきポイントとして「日当たり」「水回りの臭い」「電波の入り具合」などが挙げられています。これらはネットの物件情報ではわかりません。
(参考:スマイティ「内見のチェックポイント」2025年2月 https://sumaity.com/press/16/)
5. 今すぐできる最初の一歩
明日からできる3つのアクション
①家賃+管理費の「合計」でメモを取る 気になる物件を見つけたら、家賃と管理費を合算した金額をメモしましょう。比較しやすくなります。
②備考欄を読む習慣をつける 物件情報を見るときは、必ず備考欄までスクロールして確認しましょう。重要な条件が書かれていることがあります。
③手持ちの家具のサイズを測る ベッド、冷蔵庫、ソファなど、大きな家具のサイズをスマホにメモしておきましょう。内見時に役立ちます。
準備にかかる時間
上記の3ステップは、合計30分程度で完了します。
この30分の準備が、後悔のない物件選びにつながります。
まとめ
賃貸物件情報を正しく読み解くためのポイントを3つにまとめます。
①家賃と管理費は「合算」で比較する:家賃だけを見て判断しない
②写真と情報は「参考程度」と考える:必ず内見で実際に確認する
③備考欄まで読み込む:重要な条件が記載されていることがある
物件情報の読み方を知っているかどうかで、お部屋探しの満足度は大きく変わります。
静岡市で賃貸物件をお探しの方、「物件情報の見方がわからない」「内見でどこを見ればいいかわからない」という方は、お気軽にAuthentill Styleまでご相談ください。地元密着の不動産会社だからこそ、物件情報だけではわからない情報もお伝えできます。
■ 参考データ出典一覧
国土交通省「令和5年度住生活総合調査」(https://www.mlit.go.jp/)
スマイティ「内見のチェックポイント」2025年2月(https://sumaity.com/press/16/)
ニッショー「賃貸物件の内見チェックポイント」(https://www.nissho-apn.co.jp/chintai/magazine/viewing-checklist-point.html)
OHEYAGO「賃貸物件の内見のポイント」(https://oheyago.jp/articles/naiken_point/)
著者情報

佐須陽介
代表・宅地建物取引士
宅地建物取引士(静岡) 第 025298号 賃貸不動産経営管理士(2)第 059325号 住宅ローンアドバイザー
業界歴15年
静岡市出身、現在は静岡市を拠点に不動産仲介・コンサルティング業務を手掛けています。これまで新築・中古マンション、戸建、賃貸管理まで幅広く携わってきました。
数多くのお客様の住まい選びをサポート。住宅ローンの借り換え支援なども含め、現実的な選択肢を提示することに定評があります。
静岡市を拠点に不動産仲介・コンサルティング業務を手掛けています。私自身もかつて住宅ローンの借り換えを経験し、「数字に強く、現実的な選択肢を示すこと」を常に心がけています。代表メッセージ(Authentill Style)にあるように、お客様に寄り添い、安心できる住まい選びを一緒に進めたいと心から願っています。
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