【2025年版】静岡の賃貸不動産を探す前に知っておきたい基礎知識|宅建士が徹底解説
目次
静岡の賃貸不動産市場の現状(2025年版)
賃貸借契約の基本知識
原状回復ガイドラインとは?トラブルを防ぐポイント
静岡エリア別の賃貸市場の特徴
賃貸物件を選ぶ際の重要なチェックポイント
よくある質問(FAQ)
はじめに
こんにちは。株式会社Authentill Style代表取締役の佐須陽介です。宅地建物取引士(静岡)第025298号、賃貸不動産経営管理士(2)第059325号として、静岡市で賃貸不動産のご相談を数多く受けてまいりました。
静岡で賃貸物件をお探しの方、あるいは賃貸経営をお考えの方に向けて、この記事では賃貸不動産の基礎知識を実務経験に基づいて解説します。法令や制度は日々変化していますので、この記事では2025年1月時点での最新情報をお届けします。
1. 静岡の賃貸不動産市場の現状(2025年版)
1-1. 静岡県の住宅着工動向
静岡県の新設住宅着工戸数は、令和7年8月時点で1,605戸(対前年同月比3.1%減)となっています。貸家については前年同月比で増加傾向にあり、賃貸市場は一定の活況を見せています。
(参考:静岡県公式ホームページ「新設住宅着工統計」2025年10月8日更新 https://www.pref.shizuoka.jp/kurashikankyo/kenchiku/garden/1015907.html)
私が日々接している静岡市内の賃貸市場では、特に駅近の物件や、リモートワークに対応した設備を備えた物件への需要が高まっています。単身者向けのワンルームから、ファミリー向けの2LDK・3LDKまで、幅広いニーズがあります。
1-2. 静岡県の賃貸市場の特徴
静岡県は東西に広い地域特性があります。私の経験では、以下のような傾向が見られます。
静岡市エリア:県庁所在地として商業施設が充実しており、東京方面へのアクセスも良好です。そのため単身者からの需要が強く、駅周辺の賃貸物件は競争率が高い傾向にあります。
浜松市エリア:製造業の拠点が多く、ファミリー世帯の転入も多い地域です。住宅地や大型ショッピングセンターが充実しているため、ファミリー向け物件の需要が安定しています。
その他地域:富士市、沼津市などの東部エリアも、それぞれの地域特性に応じた賃貸需要があります。
2. 賃貸借契約の基本知識
2-1. 賃貸借契約とは
賃貸借契約とは、賃貸人(大家さん)が賃借人(借り手)に対して、建物を使用収益させることを約束し、賃借人がその対価として賃料を支払うことを約束する契約です。この契約は民法第601条に規定されています。
私が契約書の説明をする際には、「お部屋を借りる約束と、その対価として家賃を払う約束を、双方が納得した上で交わすもの」と説明しています。2025年1月時点でも、この基本的な考え方に変更はありません。
2-2. 宅地建物取引業法による保護
賃貸不動産の仲介を行う不動産会社は、宅地建物取引業法(宅建業法)の規制を受けています。2025年には、宅建業法施行規則の改正が段階的に施行されました。
2025年1月と4月に宅地建物取引業法施行規則の改正が行われ、レインズ登録事項の追加や宅地建物取引業者票の様式変更などの重要な変更が含まれています。
(参考:国土交通省「宅地建物取引業法施行規則の改正について」2025年施行)
これらの改正により、不動産取引の透明性が向上し、借り手にとってもより安心して物件を選べる環境が整いつつあります。
2-3. 重要事項説明の意義
賃貸借契約を締結する前に、宅地建物取引士から「重要事項説明」を受けることが法律で義務付けられています。これは、契約を締結するかどうかの判断に重要な影響を及ぼす事項について、事前に説明を受ける権利です。
2025年1月、私がお客様に重要事項説明を行う際には、以下のような点を特に丁寧に説明しています。
物件の設備や状態
契約期間や更新に関する事項
敷金・礼金・家賃の詳細
退去時の原状回復に関する取り決め
禁止事項や特約事項
「難しい言葉が並んでいますが、これはあなたの権利を守るための説明です」と前置きし、一つ一つ丁寧に解説するよう心がけています。
3. 原状回復ガイドラインとは?トラブルを防ぐポイント
3-1. 原状回復とは何か
賃貸住宅を退去する際、「原状回復」という言葉を耳にしますが、これは「借りた当時の状態に戻す」という意味ではありません。
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(平成23年8月再改訂版)では、原状回復を以下のように定義しています。
「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」
(引用:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」平成23年8月再改訂版、2025年1月時点で有効)
この定義を踏まえ、私は以下のように説明しています。
「普通に生活していて自然に発生する汚れや傷は、家賃の中に含まれているんです。でも、わざと壁に穴を開けたり、タバコで床を焦がしたりといった、普通の使い方を超えた損傷については、借り手さんに修繕費用を負担していただくことになります」
2025年1月時点でも、このガイドラインの基本的な考え方に変更はありません。
(参考:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html)
3-2. 借り手が負担しなくてよい損耗
ガイドラインでは、経年変化や通常の使用による損耗等の修繕費用は、賃料に含まれるものとされています。
具体的には、以下のような事例が挙げられます。
家具を置いていた部分の床やカーペットのへこみ
日照による壁紙(クロス)の変色
テレビや冷蔵庫の後ろの壁の黒ずみ(電気ヤケ)
通常の使用によるフローリングの色落ち
これらは「通常の使用」の範囲内であり、借り手が費用を負担する必要はありません。
3-3. 借り手が負担すべき損耗
一方で、以下のような損耗については、借り手の負担となります。
タバコのヤニや臭いによる壁紙の変色
ペット(禁止されている場合)による傷や臭い
引越し作業で付けた大きな傷
故意に開けた壁の穴
清掃を怠ったことによるカビやシミ
2025年1月に私が担当したお客様からは、「ペットを飼っていたので、退去時にどれくらい費用がかかるか心配です」というご相談がありました。このような場合、入居時の契約内容や特約をしっかり確認し、ガイドラインに照らし合わせて適正な負担範囲を検討することが重要です。
3-4. 経過年数の考慮
ガイドラインでは、賃借人の負担については建物や設備の経過年数を考慮し、年数が多いほど負担割合を減少させる考え方が採用されています。
たとえば、入居して5年経過した物件で壁紙を汚してしまった場合、壁紙の耐用年数(通常6年程度)を考慮して、借り手の負担額は減額されることになります。
私の経験では、この「経過年数の考慮」について知らない方が多く、退去時に「全額負担しなければならない」と誤解されているケースがよくあります。契約時にこの点をしっかり説明することで、後々のトラブルを防ぐことができます。
3-5. トラブルを防ぐために入居時・退去時にすべきこと
入居時:
部屋の状態を写真や動画で記録する
既存の傷や汚れを不動産会社に報告する
契約書の原状回復に関する条項を確認する
退去時:
通常の清掃を行う
立会い時に疑問点があれば遠慮なく質問する
見積もりの内訳を確認する
2025年1月、私はお客様に「入居時の写真は、あなたを守る証拠になります」と伝えています。スマートフォンで簡単に記録できる時代ですので、ぜひ活用していただきたいと思います。
4. 静岡エリア別の賃貸市場の特徴
4-1. 静岡市(葵区・駿河区・清水区)
静岡市は県庁所在地として、商業施設や公共機関が集中しています。
葵区:静岡駅周辺は賃貸需要が非常に高く、単身者向けのワンルームから、ファミリー向けの物件まで豊富です。私の経験では、駅徒歩10分圏内の物件は、募集をかけるとすぐに問い合わせが入る状況です。
駿河区:静岡大学や静岡県立大学があり、学生向けの賃貸需要が安定しています。
清水区:清水駅周辺は商業地域として発展しており、ファミリー層からの需要があります。
4-2. 浜松市
浜松市は静岡県西部の中心都市で、製造業が盛んな地域です。楽器メーカーや自動車関連企業が多く、転勤者の賃貸需要も見込めます。
私が聞いている情報では、浜松市では駐車場付きの物件が好まれる傾向にあります。車が生活必需品となるエリアが多いためです。
4-3. 富士市・沼津市など東部エリア
富士市は製紙産業の拠点として知られ、沼津市は漁港があり観光業も盛んです。これらの地域では、地元企業の従業員や、転勤者向けの賃貸需要があります。
5. 賃貸物件を選ぶ際の重要なチェックポイント
5-1. 立地と交通アクセス
通勤・通学の利便性は賃貸物件選びの最重要ポイントです。静岡では車社会の側面もありますが、駅近物件の人気は依然として高いです。
私がお客様にアドバイスする際は、「実際に通勤・通学の時間帯に、駅から物件まで歩いてみてください」とお伝えしています。地図上の距離と、実際に歩く感覚は異なることがあるためです。
5-2. 設備と築年数
2025年の賃貸市場では、以下のような設備が求められています。
インターネット環境(Wi-Fi完備)
宅配ボックス
オートロック
独立洗面台
浴室乾燥機
また、築年数については、新築や築浅物件は家賃が高めですが、設備が新しく快適です。一方、築年数が経過した物件でもリノベーション済みであれば、お得に快適な生活を送れることもあります。
5-3. 契約条件の確認
敷金・礼金の有無と金額
家賃以外にかかる費用(共益費、駐車場代など)
契約期間と更新料
退去時の原状回復に関する特約
特に「特約」については、ガイドラインと異なる内容が記載されている場合があります。私は契約時に必ず特約の内容を説明し、お客様が納得した上で契約していただくようにしています。
5-4. 周辺環境のチェック
スーパーやコンビニまでの距離
医療機関の有無
治安や騒音レベル
日当たりや風通し
2025年1月、私が担当したお客様は、内見時に「近くにスーパーがあるか」を重視されていました。日常生活の利便性は、住み心地に大きく影響します。
6. よくある質問(FAQ)
Q1: 2025年、賃貸不動産に関する法改正や運用変更はありましたか?
A: 2025年には宅地建物取引業法施行規則の改正が段階的に施行されました。主な変更点は、レインズ(不動産流通標準情報システム)への取引状況登録の義務化や、業者票の記載事項の変更などです。これらは主に不動産業者側の義務に関するものですが、取引の透明性が向上し、借り手にとってもメリットがあります。
原状回復ガイドラインについては、平成23年8月の再改訂版が2025年1月時点でも有効です。
(参考:国土交通省関連資料、2025年1月確認)
Q2: 敷金は必ず返ってきますか?
A: 敷金は、家賃の未払いや原状回復費用に充当された後、残額が返還されます。ガイドラインに基づく適正な原状回復費用のみが差し引かれるべきですので、通常の使用による損耗については敷金から差し引かれることはありません。
私の経験では、入居時の状態をしっかり記録し、退去時に通常清掃を行っていれば、敷金の大部分が返還されるケースが多いです。
Q3: ペット可物件で注意すべき点は?
A: ペット可物件では、通常の賃貸契約に加えて、ペットに関する特約が設けられていることが多いです。飼育できるペットの種類や頭数、退去時の原状回復費用の負担範囲などを事前に確認しましょう。
2025年1月時点でも、ペットによる損耗は借り手の負担となることが一般的です。ただし、経過年数の考慮は適用されますので、長期間居住した場合は負担が軽減されることもあります。
Q4: 静岡で賃貸物件を探す際、家賃相場はどれくらいですか?
A: エリアや間取りによって大きく異なりますが、静岡市中心部のワンルーム・1Kであれば4万円~6万円程度、2LDKであれば7万円~10万円程度が相場です(2025年1月時点)。
浜松市でも同様の水準ですが、エリアや駅からの距離によって変動します。具体的な相場は、不動産ポータルサイトや地元の不動産会社に問い合わせることをおすすめします。
Q5: 契約時に必要な書類は何ですか?
A: 一般的に以下の書類が必要です。
身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど)
住民票
印鑑証明書
収入証明書(源泉徴収票、給与明細など)
連帯保証人の同意書(保証人を立てる場合)
保証会社の審査書類(保証会社を利用する場合)
物件や不動産会社によって必要書類は異なりますので、事前に確認しておきましょう。
まとめ
静岡で賃貸不動産をお探しの際は、以下のポイントを押さえておきましょう。
静岡の賃貸市場の特徴を理解する:静岡市、浜松市をはじめ、各エリアには特徴があります。自分のライフスタイルに合ったエリアを選びましょう。
原状回復ガイドラインを知る:退去時のトラブルを防ぐため、通常の使用による損耗と、借り手負担となる損耗の違いを理解しておきましょう。
契約内容をしっかり確認する:重要事項説明や契約書の特約事項は、後々のトラブルを防ぐために非常に重要です。わからないことがあれば、遠慮なく質問しましょう。
入居時・退去時の記録を残す:スマートフォンで簡単に写真や動画を撮影できる時代です。自分を守るための証拠として活用しましょう。
2025年の最新情報をキャッチアップ:法令や制度は変化します。不安な点があれば、専門家に相談することをおすすめします。
おわりに
私は静岡市生まれ、静岡市育ちの宅地建物取引士として、地元の皆様の住まい探しをサポートしてきました。賃貸不動産は、人生の大きな決断の一つです。この記事が、皆様の快適な賃貸生活の一助となれば幸いです。
2025年1月時点での情報をもとに執筆していますが、法令や制度は今後も変更される可能性があります。最新情報については、国土交通省の公式サイトや、地元の不動産会社にご確認ください。
何かご不明な点がございましたら、お気軽に専門家にご相談ください。
参考資料・出典
静岡県公式ホームページ「新設住宅着工統計」(2025年10月8日更新)
https://www.pref.shizuoka.jp/kurashikankyo/kenchiku/garden/1015907.html国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(平成23年8月再改訂版)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」(2025年4月1日以降)
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000268.html総務省統計局「住宅・土地統計調査」(令和5年実施)
著者情報

佐須陽介
代表・宅地建物取引士
宅地建物取引士(静岡) 第 025298号 賃貸不動産経営管理士(2)第 059325号 住宅ローンアドバイザー
業界歴15年
静岡市出身、現在は静岡市を拠点に不動産仲介・コンサルティング業務を手掛けています。これまで新築・中古マンション、戸建、賃貸管理まで幅広く携わってきました。
数多くのお客様の住まい選びをサポート。住宅ローンの借り換え支援なども含め、現実的な選択肢を提示することに定評があります。
静岡市を拠点に不動産仲介・コンサルティング業務を手掛けています。私自身もかつて住宅ローンの借り換えを経験し、「数字に強く、現実的な選択肢を示すこと」を常に心がけています。代表メッセージ(Authentill Style)にあるように、お客様に寄り添い、安心できる住まい選びを一緒に進めたいと心から願っています。
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