賃貸物件を見るポイント完全ガイド|後悔しない内見術
【目次】
1. なぜ内見が重要なのか?写真や間取り図だけでは分からないこと
2. 内見で必ずチェックすべき5つのポイント
3. 私が特に重視する「時間帯を変えた確認」
4. 内見でやってはいけないNG行動
5. 今すぐできる内見準備
なぜ内見が重要なのか?写真や間取り図だけでは分からないこと
SUUMOリサーチセンターの「2023年度 賃貸契約者動向調査」によると、物件を契約した人が見学した物件数は平均2.6件で、年々減少傾向にあります。オンライン内見の普及も進み、約29%がオンライン内見を利用したという結果も出ています。
しかし、オンライン内見だけでは確認できないことが多くあります。
私が2024年11月に担当した静岡市駿河区の案件では、オンライン内見で気に入った物件を、念のため現地で確認したところ、排水口から嫌な臭いがすることが分かりました。お客様は「オンラインだけで決めなくて本当によかった」とおっしゃっていました。
写真や間取り図、オンライン内見では確認できない主な項目は以下のとおりです。
・ 実際の日当たりや採光の状態
・ 室内の臭い(カビ・排水・タバコなど)
・ 周辺の騒音レベル
・ 建物全体の管理状態
・ 携帯電話の電波状況
・ 床の傾きや建物の歪み
特に静岡市内の築年数が経過した物件では、管理状態の差が大きいと感じています。2024年に私が担当した物件でも、同じ築年数でも管理会社によって共用部の清潔さが全く異なるケースを多く見てきました。
静岡の賃貸市場における内見の実態
静岡市内での部屋探しでは、転勤や進学で時間が限られている方も多くいらっしゃいます。
私が2024年に対応したお客様の中にも、県外からの転勤で「1日しか静岡に来られない」という方がいらっしゃいました。そのような場合、事前にオンラインで絞り込んでから、現地で効率よく3〜4件を見学するパターンが増えています。
ただし、時間がない場合でも、最低限チェックすべきポイントを押さえておくことが大切です。次の章では、私が実務で特に重視している内見のチェックポイントを解説します。
内見で必ずチェックすべき5つのポイント
Alba Linkの調査で明らかになった後悔理由のトップ5を踏まえ、私が実務で特に重視しているチェックポイントをご紹介します。
ポイント1:防音性・周囲の騒音環境
後悔理由の第1位は「騒音トラブル」でした。内見時は以下の点を確認しましょう。
・ 壁を軽くノックして厚さを確認する
・ 窓を閉めた状態で外の音がどの程度聞こえるか確認する
・ 隣室との壁の位置(寝室が隣り合っていないか)を間取り図で確認する
・ 建物の構造(鉄筋コンクリートか木造かなど)を確認する
私の経験則として、鉄筋コンクリート造(RC)であっても、築年数や建物の設計によって防音性能は異なります。2024年10月に内見同行した静岡市葵区の築15年RCマンションでは、壁が薄く隣室の話し声が聞こえるケースがありました。
可能であれば、平日の昼だけでなく、夜や休日にも周辺環境を確認することをお勧めします。調査でも「昼と夜の両方で下見に行く」が後悔を防ぐ対策として最も多く挙げられていました。
ポイント2:日当たり・風通しの状態
日当たりの悪さも後悔理由の上位に入っています。
内見時のチェック項目は以下のとおりです。
・ 窓の方角と大きさを確認する
・ 周辺の建物で日光が遮られていないか確認する
・ ベランダや窓から実際に外を見て、視界の開け具合を確認する
・ 窓を開けて風通しを確認する(対角線上に窓があると良い)
2024年12月に私が担当した静岡市清水区の物件では、「南向き」と記載されていましたが、実際に現地で確認すると、向かいのマンションで午後の日差しが遮られていました。間取り図の「南向き」だけを信じず、現地での確認が重要です。
また、静岡は比較的温暖ですが、冬場の日当たりは光熱費にも影響します。内見時期と実際の入居時期で季節が異なる場合は、太陽の角度の変化も考慮しましょう。
ポイント3:水回りの状態
水回りの問題も後悔の原因となりやすい項目です。
内見時は以下を確認してください。
・ 蛇口をひねって水圧を確認する(許可を得てから)
・ シンク下や洗面台下を開けて水漏れの跡がないか確認する
・ 排水口の臭いを確認する
・ 浴室のカビや水垢の状態を確認する
・ 換気扇の動作を確認する
長期間空室だった物件では、排水トラップの水が蒸発して下水の臭いがすることがあります。これは入居後に水を流せば解消することが多いですが、それ以外の原因で臭いがする場合は注意が必要です。
2024年9月に内見した静岡市葵区の物件では、浴室の換気扇が故障していることが分かりました。内見時に確認したことで、入居前に修理対応してもらうことができました。
ポイント4:設備の状態と残置物の確認
設備への不満も後悔理由として多く挙げられています。
確認すべき項目は以下のとおりです。
・ エアコンの年式と動作確認
・ ガスコンロの口数と状態(IHの場合は対応調理器具の確認)
・ 給湯器のタイプ(追い焚き機能の有無など)
・ インターホンの有無とカメラ機能
・ コンセントの数と位置
・ 収納の内部(カビや汚れがないか)
特に注意すべきなのが「設備」と「残置物」の違いです。残置物は前入居者が置いていったもので、故障しても大家さんの修理義務がありません。契約前に必ず確認しましょう。
私の経験では、築年数が古い物件ほどエアコンの型が古く、電気代が高くなりがちです。2024年に担当した築25年の物件では、15年前のエアコンが設置されており、入居前の交換を交渉したケースがありました。
ポイント5:共用部と建物管理の状態
共用部の状態は、建物全体の管理レベルを判断する重要な指標です。
チェックポイントは以下のとおりです。
・ エントランスや廊下の清掃状態
・ ゴミ置き場の清潔さと分別ルール
・ 郵便受け周辺の状態(チラシが散乱していないか)
・ 掲示板の内容(騒音などの注意書きがあるか)
・ 駐輪場の整理状況
・ 消火器や防災設備の点検状況
掲示板に「騒音に関するお願い」などが貼られている場合、過去にトラブルがあった可能性があります。また、SUUMOリサーチセンターの調査では、防災への意識が高まっており、約43%の人がハザードマップを確認しているという結果も出ています。
2024年11月に内見した静岡市駿河区のマンションでは、共用廊下の電球が切れたまま放置されていました。このような細かい部分からも管理会社の対応力が分かります。
私が特に重視する「時間帯を変えた確認」
Alba Linkの調査で、後悔を防ぐために最も多く挙げられた対策は「昼と夜の両方で下見に行く」でした。私も実務で強くお勧めしている方法です。
内見は通常、日中の明るい時間帯に行われます。しかし、実際に生活するのは夜の時間帯の方が長いという方も多いのではないでしょうか。
2024年8月に担当した静岡市葵区の案件では、昼間の内見では静かだった物件が、夜に再確認したところ、近くの飲食店から騒音があることが分かりました。お客様はその物件を見送り、別の物件で契約されました。
時間帯を変えて確認すべき項目は以下のとおりです。
・ 周辺の騒音レベル(昼と夜で大きく変わることがある)
・ 駅や最寄りの店舗までの道の雰囲気と街灯の有無
・ 帰宅時間帯の電車やバスの混雑具合
・ 近隣店舗の営業時間と客層
もし2回の来訪が難しい場合は、せめて物件周辺だけでも夜に確認することをお勧めします。GoogleマップのストリートビューでWEBから確認する方法もありますが、現地の空気感は実際に行かないと分かりません。
内見でやってはいけないNG行動
私がこれまでの実務で見てきた「失敗につながりやすい行動」をご紹介します。
NG1:内見せずに契約する
オンライン内見やVR内見の普及により、現地に行かずに契約するケースも増えています。しかし、調査でも「現地で内見する」が後悔を防ぐ対策の上位に挙げられています。
特に長期間住む予定の方は、可能な限り現地での内見をお勧めします。私が担当したケースでも、オンライン内見では分からなかった問題(臭い、騒音、日当たりなど)が現地で発覚したことが何度もあります。
NG2:1件だけ見て決める
時間がない場合や、最初に見た物件が気に入った場合、1件だけで決めてしまう方がいらっしゃいます。しかし、比較対象がないと、その物件の良し悪しを正確に判断できません。
SUUMOの調査では、契約者の平均見学数は2.6件となっています。最低でも2〜3件は見学することをお勧めします。
NG3:気になることを質問しない
内見時に気になったことは、その場で不動産会社の担当者に質問しましょう。後から確認しようと思っても、忘れてしまったり、契約を急かされて確認できなかったりすることがあります。
私が特にお伝えしているのは、以下の点を必ず確認することです。
・ 前入居者の退去理由
・ 周辺での工事予定
・ 過去のトラブル(騒音や設備故障など)
・ 設備と残置物の区別
・ 退去時の原状回復の範囲
NG4:写真やメモを取らない
複数の物件を内見すると、どの物件がどんな状態だったか混乱しがちです。内見時には必ず写真を撮り、メモを残しましょう。
撮影しておくべきポイントは以下のとおりです。
・ 各部屋の全体像
・ コンセントの位置
・ 収納の内部
・ 窓からの眺め
・ 水回りの状態
・ 気になった箇所(傷や汚れなど)
傷や汚れを撮影しておくことで、退去時のトラブル防止にもつながります。
今すぐできる内見準備
最後に、内見前に準備しておくべきことをまとめます。
内見当日の持ち物として用意しましょう。
・ メジャー(家具のサイズを測る用)
・ スマートフォン(写真撮影・方角確認・電波確認)
・ メモ帳とペン
・ 物件の間取り図(事前に印刷またはダウンロード)
・ 現在使用している大型家具・家電のサイズメモ
事前に確認しておくと良いこととして、以下があります。
・ ハザードマップでの災害リスク確認
・ 最寄り駅までの距離と実際の所要時間
・ 周辺施設(スーパー、病院、学校など)の位置
・ 物件の建物構造と築年数
・ 現在の自分の家具・家電のサイズ
特にハザードマップの確認は、近年の災害増加を受けて重視する方が増えています。SUUMOの調査でも、約43%の方が物件探しの際にハザードマップを確認しているという結果が出ています。静岡市でも、津波や河川氾濫のリスクがあるエリアがありますので、事前確認をお勧めします。
まずは気になる物件の内見予約を入れることから始めましょう。
まとめ
【まとめ】
賃貸契約で後悔しないためには、内見での丁寧なチェックが欠かせません。
・ 防音性、日当たり、水回り、設備、共用部の5つを重点的に確認する
・ 可能であれば昼と夜、両方の時間帯で周辺環境を確認する
・ 気になったことは必ずその場で質問し、写真とメモを残す
Authentill Styleでは、静岡市内での賃貸物件探しを地域密着でサポートしています。内見同行はもちろん、物件選びのご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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【参照データ・出典】
・Alba Link「賃貸物件を借りて後悔する瞬間についての意識調査」(2021年1月)
https://wakearipro.com/rental-contract-regret/
・SUUMOリサーチセンター「2023年度 賃貸契約者動向調査(首都圏)」(2024年10月)
https://www.recruit.co.jp/newsroom/pressrelease/assets/20241002_housing_01.pdf
・SUUMOリサーチセンター「2023年度 賃貸契約者動向調査(全国)」(2024年10月)
著者情報

佐須陽介
代表・宅地建物取引士
宅地建物取引士(静岡) 第 025298号 賃貸不動産経営管理士(2)第 059325号 住宅ローンアドバイザー
業界歴15年
静岡市出身、現在は静岡市を拠点に不動産仲介・コンサルティング業務を手掛けています。これまで新築・中古マンション、戸建、賃貸管理まで幅広く携わってきました。
数多くのお客様の住まい選びをサポート。住宅ローンの借り換え支援なども含め、現実的な選択肢を提示することに定評があります。
静岡市を拠点に不動産仲介・コンサルティング業務を手掛けています。私自身もかつて住宅ローンの借り換えを経験し、「数字に強く、現実的な選択肢を示すこと」を常に心がけています。代表メッセージ(Authentill Style)にあるように、お客様に寄り添い、安心できる住まい選びを一緒に進めたいと心から願っています。
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