古い家を貸したい方必見!築古物件の賃貸活用完全ガイド【2025年最新】

古い家は本当に貸せるのか?貸せる条件とは

「古い家」の定義と賃貸市場の実態

不動産業界では明確な定義はありませんが、一般的に築20年以上を経過した物件は「古い家」と認識されることが多いです。木造住宅の法定耐用年数は22年であり、これを一つの目安とする見方もあります。

しかし、古いからといって借り手がつかないわけではありません。国土交通省の「土地問題に関する国民の意識調査」によると、望ましい住宅形態として戸建てを選ぶ人は60%以上を占めています(国土交通省)。戸建て賃貸は供給が限られているため、築年数に関わらず一定の需要があるのが実情です。

貸せる家と貸せない家の違い

古い家を賃貸に出せるかどうかは、主に以下の条件で判断されます。

貸し出しが可能な条件:

  • 新耐震基準(1981年6月1日以降着工)を満たしている、または耐震改修済み

  • 水回り(キッチン・浴室・トイレ)が機能している

  • 雨漏りや構造上の重大な欠陥がない

  • シロアリ被害がない、または駆除・補修済み

  • 接道義務(幅員4m以上の道路に2m以上接する)を満たしている

貸し出しが難しいケース:

  • 旧耐震基準かつ耐震改修が困難

  • 構造躯体の腐食・傾斜が著しい

  • 再建築不可物件で売却も困難

特に耐震基準は重要なポイントです。1981年5月31日以前に着工された物件は旧耐震基準となり、そのままでは不動産会社から仲介を断られるケースもあります。ただし、旧耐震基準でも耐震診断・耐震改修を行えば賃貸に出すことは可能です。


古い家を貸すメリット5選

1. 安定した家賃収入が得られる

空き家のまま放置すると固定資産税や維持管理費が出ていく一方ですが、賃貸に出すことで家賃収入を得られます。戸建て賃貸はファミリー層に人気があり、一度入居すると長期間住み続けるケースが多いため、安定収入が期待できます。

2. 資産を手放さずに所有し続けられる

売却せずに賃貸運用することで、将来的に地価が上昇した場合の売却益を狙うことも可能です。また、いずれ自分や家族が住む選択肢も残せます。

3. 建物の老朽化を防げる

空き家は人が住まないと急速に劣化が進みます。換気不足によるカビや湿気、害虫・害獣の被害などが発生しやすくなるためです。賃貸に出すことで入居者が日常的に換気や清掃を行うため、建物の劣化を緩やかにできます。

4. 固定資産税が抑えられる場合がある

住宅用地として利用されている土地には「住宅用地の特例」が適用され、固定資産税が軽減されます。空き家を放置して「特定空家」に指定されると、この特例が適用されなくなり税負担が増える可能性があります。

5. 築古ならではの魅力をアピールできる

古い家には、新築にはない独自の魅力があります。広い庭、縁側、レトロな雰囲気、天然木のぬくもりなど、これらを好む層は一定数存在します。近年はDIY可能物件や古民家風の住まいを求める若年層・外国人も増えています。


古い家を貸すデメリットと対策

1. 修繕費用がかかる可能性がある

対策: 最初から大規模リフォームを行う必要はありません。まずは現状のまま募集を開始し、反響を見ながら段階的に修繕を検討するのが賢明です。必須の修繕は水回りの機能確保と安全面の確保(雨漏り・電気設備など)に絞りましょう。

2. 空室リスクがある

対策: 家賃設定を周辺相場より低めに設定する、ターゲット層を明確にする(ファミリー層、DIY希望者、ペット可など)ことで入居率を高められます。

3. 入居者トラブルへの対応が必要

対策: 信頼できる賃貸管理会社に委託することで、家賃回収、トラブル対応、退去時の原状回復交渉などを任せられます。管理委託費の相場は家賃の3〜5%程度です(エビス不動産)。

4. 普通借家契約では退去させにくい

対策: 将来的に自分で住む可能性がある場合や、一定期間後に売却を検討している場合は「定期借家契約」を選択しましょう。契約期間満了で確実に物件を取り戻せます。


リフォーム・修繕の判断基準と費用相場

リフォームは必須?判断のポイント

古い家を貸す際、必ずしも大規模リフォームは必要ありません。判断のポイントは以下の3つです。

  1. 安全性に関わる部分は必須で対応

    • 雨漏り補修

    • 電気配線の安全確認

    • ガス設備の点検

    • 耐震性の確認(旧耐震基準の場合)

  2. 生活に支障をきたす部分は優先対応

    • 水回り(キッチン・浴室・トイレ)の機能確保

    • ドア・窓の開閉不良

    • 給湯器の動作確認

  3. 見た目の印象改善は費用対効果で判断

    • ハウスクリーニング(数万円〜10万円程度)

    • 壁紙の張り替え(1部屋あたり5〜10万円程度)

    • 床材の張り替え

リフォーム費用の目安(2025年1月時点)

住宅リフォーム推進協議会の調査(2024年度)によると、リフォーム費用の平均支出は約434万円ですが、これには大規模リノベーションも含まれています。賃貸用の最低限のリフォームであれば、150万円〜300万円程度で対応可能なケースが多いです。

リフォーム項目

費用目安

ハウスクリーニング

5万〜15万円

壁紙張り替え(全室)

20万〜50万円

キッチン交換

50万〜100万円

浴室交換(ユニットバス)

80万〜120万円

トイレ交換

15万〜30万円

給湯器交換

15万〜30万円

耐震改修工事

100万〜200万円

フルリフォーム

500万〜1,500万円

※費用は物件の状態や地域により異なります。複数業者から見積もりを取ることをおすすめします。

耐震診断・耐震改修の補助金制度

2025年現在、多くの自治体で木造住宅の耐震診断・耐震改修に対する補助金制度が設けられています。

  • 耐震診断費用補助: 自己負担2,000円〜1万円程度で診断可能な自治体あり

  • 耐震改修工事補助: 工事費用の1/2〜4/5、上限80万〜140万円程度

補助金の内容は自治体により異なりますので、お住まいの市区町村の建築指導課に確認してください。2025年4月からは建築基準法改正により、木造2階建て住宅の大規模リフォームでも建築確認申請が必要になる場合があります。


古い家を貸すまでの流れ【5ステップ】

ステップ1:物件の状態確認と賃料査定

まずは物件の現状を確認し、修繕が必要な箇所を把握します。並行して、複数の不動産会社に賃料査定を依頼しましょう。周辺相場や物件の特性(築年数、間取り、立地など)を踏まえた適正賃料を把握することが重要です。

ステップ2:リフォーム・修繕の実施

賃料査定の結果を踏まえ、費用対効果を考慮してリフォーム範囲を決定します。高額なリフォームを行っても、その分を家賃に上乗せできなければ回収に時間がかかります。管理会社に相談しながら、最適な投資判断を行いましょう。

ステップ3:管理会社の選定・契約形態の決定

賃貸管理会社を選定し、契約形態(普通借家・定期借家)を決定します。管理委託費の相場は家賃の3〜5%です。サブリース(一括借上げ)を選択すれば空室リスクは軽減されますが、賃料は市場相場より低くなります。

ステップ4:入居者募集・審査

不動産会社が入居者を募集し、申込みがあれば入居審査を行います。家賃支払い能力、勤務先、過去のトラブル歴などを確認します。入居者の質は賃貸経営の成否を左右するため、審査は慎重に行いましょう。

ステップ5:賃貸借契約の締結・入居開始

審査に通過した入居者と賃貸借契約を締結します。契約前に物件の状態を写真等で記録しておくと、退去時の原状回復トラブルを防げます。特に古い家の場合、入居前から存在する傷や劣化を明確にしておくことが重要です。


契約形態の選び方:普通借家 vs 定期借家

普通借家契約

借主の権利が強く保護される契約形態です。契約期間満了後も借主が希望すれば更新され、貸主側からの解約には「正当事由」が必要です。家賃収入を長期的に安定させたい場合に適しています。

定期借家契約

契約期間満了で契約が終了し、更新はありません。貸主は確実に物件を取り戻せるため、「いずれ自分で住みたい」「将来売却を検討している」という場合に適しています。ただし、市場相場より家賃を下げないと借り手がつきにくい傾向があります。

私の経験では、古い家の場合は定期借家契約を選択するケースが多いです。 建物の老朽化が進んだ際に、一定期間で契約を終了し、売却や取り壊しの判断ができる柔軟性を確保できるためです。


2025年の空き家・築古物件市場動向

空き家は増加傾向、賃貸需要は堅調

総務省の「住宅・土地統計調査」(2023年)によると、全国の空き家数は約900万戸に達し、空き家率は13.8%と過去最高を更新しました。2025年以降、団塊世代の後期高齢者化に伴い、相続による空き家がさらに増加すると予測されています。

一方で、住宅価格の高騰により「購入より賃貸」を選ぶ層が増えており、特に戸建て賃貸の需要は堅調です。築古であっても、適切な管理とターゲット設定を行えば入居者は見つかる状況が続いています。

空き家活用に関する補助金・支援制度

国や自治体は空き家問題解決に向けた支援を強化しています。

  • 空き家バンク: 自治体が運営する空き家情報サイト。登録すると売却・賃貸のマッチングが行われます

  • リノベーション補助金: 空き家を賃貸・住居として活用する場合のリフォーム費用を補助(自治体により内容が異なります)

  • セーフティネット住宅: 高齢者や低所得者の入居を受け入れる賃貸住宅として登録すると、改修費用や家賃低廉化の補助を受けられます


よくある質問(FAQ)

Q1. 築40年以上の家でも貸せますか?

A. 貸すことは可能です。ただし、旧耐震基準(1981年5月31日以前着工)の場合は耐震診断を行い、必要に応じて耐震改修を検討してください。耐震性に問題がなく、水回りや安全設備が機能していれば、築年数だけを理由に借り手がつかないわけではありません。

Q2. リフォームなしで貸すことはできますか?

A. 物件の状態によっては可能です。ハウスクリーニングのみで募集を開始し、反響を見ながら段階的にリフォームを検討する方法もあります。ただし、水回りの故障や雨漏りなど、生活に支障をきたす部分は必ず修繕してください。

Q3. 古い家の家賃相場はどのくらいですか?

A. エリアや物件の条件により大きく異なります。一般的に、同じエリアの築浅物件と比較して20〜40%程度低い家賃設定になることが多いです。正確な相場は、地元の不動産会社に査定を依頼してください。

Q4. 自分で管理するのと管理会社に任せるのはどちらが良いですか?

A. 初めて賃貸経営を行う方や、物件から離れた場所に住んでいる方は、管理会社への委託をおすすめします。家賃回収、トラブル対応、退去時の手続きなどを一任でき、法的リスクも軽減できます。管理委託費は家賃の3〜5%程度が相場です。

Q5. 住宅ローンが残っている家を貸すことはできますか?

A. 住宅ローン契約では、原則として「自己居住」が条件となっています。賃貸に出す場合は、事前に金融機関への相談が必要です。無断で賃貸に出すと契約違反となり、一括返済を求められる可能性があります。


まとめ:古い家を貸す判断チェックリスト

古い家を賃貸に出すことを検討している方は、以下のチェックリストを参考にしてください。

□ 貸す前に確認すべきこと

  • [ ] 住宅ローンの残債と金融機関への相談

  • [ ] 耐震基準(1981年6月以降着工か)

  • [ ] 接道義務の確認

  • [ ] 雨漏り・シロアリ被害の有無

  • [ ] 水回り・電気・ガス設備の状態

□ 準備すること

  • [ ] 複数の不動産会社から賃料査定を取得

  • [ ] リフォーム範囲と費用の見積もり

  • [ ] 契約形態の決定(普通借家 or 定期借家)

  • [ ] 管理形態の決定(自主管理 or 管理委託)

□ 忘れがちなポイント

  • [ ] 入居前の物件状態を写真で記録

  • [ ] 火災保険・地震保険の見直し

  • [ ] 確定申告(不動産所得の申告)の準備

古い家を賃貸に出すことは、適切な準備と判断を行えば十分に成功する可能性があります。まずは地元の賃貸管理会社に相談し、物件の可能性を探ってみてください。


参照元URL一覧(2025年1月時点)

  1. リロの留守宅管理「古い家でも貸せる?」: https://www.tenrusu.jp/column/news124/

  2. リロの留守宅管理「リフォームなしで家を貸す」: https://www.tenrusu.jp/column/news231/

  3. AlbaLink「古い家を貸したい方必見」: https://akiya-kaitoritai.com/rent_oldhouse/

  4. イエウール「古くなった空き家も貸すことができる」: https://ieul.jp/column/articles/657/

  5. イエカレ「一軒家を賃貸に出すには」: https://plus-search.com/relocation/knowledges/column.php?entry=267

  6. HOME4U「家を貸す相場、流れ、注意点」: https://www.home4u.jp/lease/contents/manage/lease-30-9614/

  7. リショップナビ「一戸建てフルリフォームの費用」: https://rehome-navi.com/articles/56

  8. SUUMO「賃貸住宅の築年数の狙い目」: https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chintai/fr_room/chintai_chikunensu/

  9. 大和ハウス「空き家の現状と今後の見通し」: https://www.daiwahouse.co.jp/tochikatsu/souken/scolumn/sclm513.html

  10. LIFULL HOME'S Business「2025年問題とは」: https://biz.homes.jp/column/management-00063

  11. 日本総研「空き家の利活用に向けた課題」: https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=110570

著者情報

佐須陽介

佐須陽介

代表・宅地建物取引士

宅地建物取引士(静岡) 第 025298号 賃貸不動産経営管理士(2)第 059325号 住宅ローンアドバイザー

業界歴15

静岡市出身、現在は静岡市を拠点に不動産仲介・コンサルティング業務を手掛けています。これまで新築・中古マンション、戸建、賃貸管理まで幅広く携わってきました。

数多くのお客様の住まい選びをサポート。住宅ローンの借り換え支援なども含め、現実的な選択肢を提示することに定評があります。

得意分野: 不動産仲介、住宅ローンアドバイス、賃貸管理、不動産コンサルティング
趣味: 釣り、映画鑑賞、子どもと過ごす時間。休日には街を歩きながら、地域の魅力を再発見することが楽しみです。

静岡市を拠点に不動産仲介・コンサルティング業務を手掛けています。私自身もかつて住宅ローンの借り換えを経験し、「数字に強く、現実的な選択肢を示すこと」を常に心がけています。代表メッセージ(Authentill Style)にあるように、お客様に寄り添い、安心できる住まい選びを一緒に進めたいと心から願っています。

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