【2025年最新】なぜ家が買えないほど高いのか?住宅価格高騰の原因と対策を宅建士が解説
2025年最新の住宅価格動向を宅建士が解説。首都圏マンション平均価格8,958万円、東京23区は1億3,000万円超え。住宅ローン金利上昇も続く中、「家が買えない」と悩む方への具体的な対策と静岡市での実務経験に基づくアドバイスを紹介。
目次
1. 2025年住宅価格高騰の最新状況
2. 住宅価格が高騰した背景・原因
3. 静岡市への影響と具体的な実例
4. 不動産のプロとしての見解・今後の予測
5. 読者が今すぐ取るべき具体的なアクション
1. 2025年住宅価格高騰の最新状況
首都圏新築マンション価格は過去最高を更新
私が静岡市で住宅販売に携わってきた10年以上の経験の中で、2025年ほど「家が高くて買えない」という声を多く聞く年はありませんでした。実際、2025年上半期の首都圏新築分譲マンション市場を見ると、平均価格は8,958万円に達し、前年同期比で16.7%も上昇しています。東京23区に限っては平均1億3,064万円と、いわゆる「億ション」が当たり前の時代になりました。(参考:不動産経済研究所「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2025年上半期」)
2025年11月に私が担当した新築建売住宅のお客様の中には、3年前に一度家探しを断念し、今回再チャレンジされた方がいらっしゃいました。その方は「3年前は4,500万円で十分な家が見つかったのに、今は同じエリアで6,000万円以上出さないと同等の物件がない」と驚いていました。これは私の実感とも一致しており、静岡市内でも確実に価格上昇の波が押し寄せています。
住宅ローン金利も上昇局面に
価格だけでなく、住宅ローン金利も上昇しています。日銀は2024年3月にマイナス金利政策を解除し、2024年7月、2025年1月、そして2025年12月と段階的に政策金利を引き上げてきました。現在の政策金利は0.75%で、これは1995年以来30年ぶりの水準です。(参考:日本銀行 金融政策決定会合 2025年12月)
私のお客様でも、2022年に変動金利0.4%で4,500万円を借りた方が、2025年の金利上昇により月々の返済額が約8,000円増加したと相談に来られました。さらに今後の追加利上げで月約14,000円の増加になる見込みです。価格高騰と金利上昇のダブルパンチは、特に若いファミリー層にとって深刻な問題となっています。
2. 住宅価格が高騰した背景・原因
建築コストの高止まり
私が新築建売住宅の販売を担当する中で、ハウスメーカーや工務店から聞く声で最も多いのが「原価が下がらない」というものです。2021年に始まったウッドショックの影響は一段落したものの、木材価格は元の水準には戻っていません。さらに、人件費の上昇、物流コストの高止まり、そして円安による輸入資材価格の上昇が続いています。
2025年4月からは全ての新築住宅に省エネ基準への適合が義務化されました。断熱等級4以上、一次エネルギー消費量等級4以上が必須となり、これも建築コスト上昇の一因となっています。環境に優しい住宅を建てるためのコストは、最終的に販売価格に反映されているのが現状です。
土地価格の上昇
国土交通省の令和6年地価調査によると、全国的に地価は上昇傾向にあります。特に三大都市圏(東京・大阪・名古屋)および地方四市(札幌・仙台・広島・福岡)では顕著な上昇が続いています。一方で、それ以外の地方圏では横ばいまたは下落傾向も見られ、二極化が進んでいます。(参考:国土交通省「令和6年地価調査」)
私が静岡市で土地の仕入れ状況を見ていると、駅徒歩10分圏内の住宅用地は引き合いが強く、以前なら坪30万円程度だったエリアが坪40万円以上になっているケースも珍しくありません。特に静岡駅周辺や草薙・東静岡エリアでは、土地が出れば即座に売れる状況が続いています。
投資需要と低金利政策の長期化
東京都心部のマンション価格を押し上げている大きな要因の一つが、海外からの投資需要です。ニューヨークやロンドン、香港と比較すると、東京の不動産はまだ割安と見られており、富裕層や海外投資家による購入が続いています。これは一般の実需層にとっては競争相手が増えることを意味し、価格上昇の一因となっています。
また、長く続いた低金利環境も影響しています。金利が低いと「借りられる額」が増えるため、多少無理をしてでも住宅ローンを組む傾向が強まり、それが価格を押し上げてきました。私のお客様でも「今の収入で借りられる限界まで借りたい」という方が少なくありません。しかし、金利上昇局面では慎重さが求められます。
3. 静岡市への影響と具体的な実例
静岡市の住宅価格動向
静岡市は首都圏ほど極端な価格高騰は見られないものの、確実に上昇傾向にあります。2025年12月現在、LIFULL HOME'Sのデータによると、静岡市の新築一戸建ての価格帯は2,280万円〜20,000万円と幅広く、中心価格帯は3,500万円〜4,500万円程度です。(参考:LIFULL HOME'S 静岡市新築一戸建て価格相場 2025年12月更新)
私が2025年に担当した新築建売住宅の実例を挙げると、葵区の竜南エリアで4LDK・駐車スペース2台の物件が3,590万円〜3,990万円、駿河区の谷田エリアで土地面積約54坪・建物約32坪の4LDKが4,499万円といった価格帯です。3年前であれば同等の物件が3,000万円前後で購入できたことを考えると、静岡市でも20%以上の価格上昇が起きていると実感しています。
エリアによる価格差の拡大
静岡市内でも、エリアによって価格動向は異なります。私の実務経験では、以下のような傾向が見られます。
• 静岡駅周辺・葵区中心部:価格上昇が顕著。駅徒歩10分圏内の土地は希少で、新築戸建ては5,000万円超が珍しくない
• 草薙・東静岡エリア:交通利便性の高さから人気上昇中。新築戸建ては4,000万円〜5,000万円台が中心
• 清水区:比較的価格が抑えめ。3,000万円〜4,000万円台で購入可能な物件も
• 郊外エリア:価格は横ばいまたは微減傾向。ただし将来の資産価値に注意が必要
購入層の変化
2025年に入ってから、私が担当するお客様の属性にも変化が見られます。以前は30代前半の単独世帯年収400万円〜500万円のファミリーが多かったのですが、最近は30代後半〜40代で世帯年収700万円以上のダブルインカム世帯が増えています。単独の収入では希望の物件に手が届かず、共働きを前提としたペアローンを組むケースが増加しているのです。
また、「新築にこだわらない」という意識の変化も感じます。予算内で希望エリアの物件を購入するため、中古住宅を購入してリノベーションする選択をする方が確実に増えています。私も最近は中古物件のご案内が増えており、特に築10年〜15年の良質な中古戸建ては人気があります。
4. 不動産のプロとしての見解・今後の予測
短期的には高値圏が続く可能性
私の見解として、2025年後半から2026年にかけても住宅価格が大幅に下落する可能性は低いと考えています。建築コストの下落要因が見当たらないこと、都市部の土地需要が堅調であることがその理由です。
一方で、金利上昇は確実に購買力を削ぐ効果があります。住宅金融支援機構の調査によると、ESPフォーキャスト調査では政策金利が2026年12月末までに約1.1%まで上昇するとの予測が出ています。これに伴い変動金利も上昇が見込まれ、「買える人」と「買えない人」の二極化がさらに進む可能性があります。(参考:住宅金融支援機構「金利のある世界でどう変わる?」)
2025年が実需のピークという見方も
明治大学の野澤千絵教授が指摘しているように、東京都の推計では住宅購入を検討する世代(世帯主25〜54歳)の世帯数が2025年をピークに減少に転じる見通しです。つまり、実需層は今が最も多い時期であり、今後は需要が減少していく可能性があります。(参考:LIFULL HOME'S 不動産売却メディア 野澤千絵教授インタビュー 2025年3月)
ただし、これが価格下落に直結するかは不透明です。都心部では投資需要が価格を支えており、地方都市と都市部で異なる動きになる可能性が高いと私は見ています。静岡市のような地方中核都市では、利便性の高いエリアは底堅く、郊外は調整局面に入る可能性があります。
待つべきか、今買うべきか
「価格が下がるまで待つべきか」という質問をよく受けますが、私は一概に「待つべき」とは言えないと考えています。その理由は以下の通りです。
• 住宅ローン控除の縮小リスク:2026年以降、住宅ローン控除が継続されるか不透明
• 金利上昇による購買力低下:待っている間に金利が上昇すれば、同じ物件でも総支払額が増える
• ライフステージの問題:子どもの教育環境など、購入には適した時期がある
• 家賃の「無駄」:賃貸に住み続ける間の家賃は、資産形成にはつながらない
重要なのは、「相場が下がるかどうか」よりも「自分のライフプランに合った無理のない計画が立てられるか」という視点だと私は考えています。
5. 読者が今すぐ取るべき具体的なアクション
物件を買いたい人へ
私が住宅購入を検討されている方にまずお伝えするのは、「年収倍率」と「返済負担率」を必ず確認することです。住宅金融支援機構のデータでは、住宅ローンの借入額は年収の5〜7倍が目安とされています。また、返済負担率(年収に占める年間返済額の割合)は手取りベースで20〜25%以内に抑えることを推奨します。(参考:住宅金融支援機構「2023年度フラット35利用者調査」)
具体的なアクション:
• まず「借りられる額」ではなく「無理なく返せる額」を計算する
• 金利上昇を想定し、変動金利なら+1%でも返済できるか確認する
• 新築にこだわらず、中古+リノベーションも選択肢に入れる
• エリアを広げて検討する(静岡市なら清水区も視野に)
• 住宅ローン控除の適用期限を意識する(2025年中の入居が確実)
物件を売りたい人へ
売却を検討されている方には、2025年〜2026年前半は比較的有利な時期だとお伝えしています。価格が高値圏にある今のうちに売却し、次のステップに進むという判断は合理的です。
具体的なアクション:
• 複数の不動産会社に査定を依頼し、相場を把握する
• 築年数が20年を超えている場合は、早めの決断を検討する
• 住み替え(売却→購入)の場合は、売却を先行させる
• 相続した物件は、放置せず早めに方針を決める
物件を貸したい人へ
住宅価格の高騰に伴い、賃貸需要も堅調です。私が賃貸管理を担当している物件でも、2025年に入ってから家賃の値上げ交渉が成立するケースが増えています。
具体的なアクション:
• 空室期間を短くするため、募集条件の見直しを定期的に行う
• 設備の更新(エアコン・給湯器など)で競争力を維持する
• 現在の家賃が相場より低い場合は、更新時に適正家賃への改定を検討
• 将来的な売却も視野に入れ、資産価値の維持に努める
まとめ
2025年現在、住宅価格は歴史的な高値圏にあり、「家が買えない」と感じる方が増えているのは紛れもない事実です。首都圏マンション平均価格は約9,000万円、東京23区は1億円を超え、住宅ローン金利も上昇局面にあります。
しかし、私が静岡市で多くのお客様をサポートしてきた経験から言えるのは、「買えない」のではなく「買い方を工夫する必要がある」ということです。年収倍率を意識した無理のない借入計画、新築だけでなく中古住宅も視野に入れた柔軟な物件選び、エリアを広げた検討など、取れる対策は多くあります。
住宅購入は人生で最も大きな買い物の一つです。相場の動向も大切ですが、それ以上に「自分たちのライフプランに合った選択ができるか」が重要です。お悩みの方は、ぜひ信頼できる不動産のプロにご相談ください。私もお力になれることがあれば、喜んでお手伝いいたします。
参考文献・出典
• 不動産経済研究所「首都圏 新築分譲マンション市場動向 2025年上半期」 https://www.fudousankeizai.co.jp/
• 日本銀行「金融政策決定会合」決定事項(2025年12月) https://www.boj.or.jp/
• 国土交通省「令和6年地価調査」 https://www.mlit.go.jp/
• 住宅金融支援機構「2023年度フラット35利用者調査」 https://www.jhf.go.jp/
• 住宅金融支援機構「金利のある世界でどう変わる?」 https://www.flat35.com/
• LIFULL HOME'S 静岡市新築一戸建て価格相場(2025年12月更新) https://www.homes.co.jp/
• モゲチェック「日銀追加利上げで住宅ローンはいつ上がる?」(2025年12月) https://mogecheck.jp/
著者情報

佐須陽介
代表・宅地建物取引士
宅地建物取引士(静岡) 第 025298号 賃貸不動産経営管理士(2)第 059325号 住宅ローンアドバイザー
業界歴15年
静岡市出身、現在は静岡市を拠点に不動産仲介・コンサルティング業務を手掛けています。これまで新築・中古マンション、戸建、賃貸管理まで幅広く携わってきました。
数多くのお客様の住まい選びをサポート。住宅ローンの借り換え支援なども含め、現実的な選択肢を提示することに定評があります。
静岡市を拠点に不動産仲介・コンサルティング業務を手掛けています。私自身もかつて住宅ローンの借り換えを経験し、「数字に強く、現実的な選択肢を示すこと」を常に心がけています。代表メッセージ(Authentill Style)にあるように、お客様に寄り添い、安心できる住まい選びを一緒に進めたいと心から願っています。
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