静岡で「格安空き家賃貸」を検討するなら知っておきたい実情・活用法
目次
空き家問題は静岡でも深刻――背景を押さえる
「格安賃貸としての空き家」が生まれる構図
静岡市・静岡県における空き家データと支援制度
空き家賃貸を検討する際のメリット・注意点
私の体験談:案内・紹介して気づいた“格安空き家”の実情
行動を起こすための3ステップ
まとめ
著者プロフィール
1. 空き家問題は静岡でも深刻――背景を押さえる
日本全国で空き家が増えるなか、静岡県および静岡市も例外ではありません。単なる賃貸物件探しとは異なり、空き家賃貸を考えるには、地域・建物の“背景”を理解しておくことが肝心です。
まず、静岡県のデータを見てみると、2023年時点で 約30万戸 の空き家があり、空き家率(住宅総数に対する割合)は 16.7% に達しています。空き家買取専科(静岡ガスグループ)|静岡県統計センター 静岡県統計センター
つまり、静岡県で住宅の約6軒に1軒が「人が住んでいない」状態であるということです。
また、静岡市においても、「空き家等対策計画」によれば、空き家率が14.4%と、15年前と比較して4.5ポイント上昇していることが報告されています。静岡市
加えて、静岡市では空き家管理に関する相談の約70%が「草木のトラブル」であり、所有者の連絡先が分からないケースが多いという自治体レベルの課題も明らかになっています。静岡市
このような背景が、「所有放棄」「管理不十分」「活用されていない建物」という事態を生み、空き家を“格安賃貸”として活用できる土壌を生んでいます。
2. 「格安賃貸としての空き家」が生まれる構図
ではなぜ「格安賃貸」として空き家が注目されるのでしょうか。以下の構図があります。
所有者が住まない・賃貸に出さない・放置している → 賃料回収がない・管理費用が発生
空き家をそのままにしておくと、倒壊・放火・不法侵入などのリスクが高まる(自治体としても早期解消が望ましい)
所有者・自治体が「賃貸等に出した方が良い」と判断すると、賃料を抑えてでも利用促進を図る動きが出る
特に築年数が経っていたり、駅から遠かったりする物件は通常賃貸市場では扱いづらく、「格安条件」で貸し出すことが多い
私の案内経験でも、「中心地ではなくとも住める状態の空き家」を紹介した際に、賃料が相場よりかなり低めに設定されていたケースがありました。これはまさに「空き家活用+借り手確保」という双方メリットの構図に沿った事例です。
また、自治体としても補助金制度を設けて「空き家を購入・改修して賃貸に出す」動きを支援しています。iju.pref.shizuoka.jp
つまり、空き家を「安く借りる」だけでなく、「安く借りられる可能性がある物件を掘り起こす」チャンスが、今静岡にはあるわけです。
3. 静岡市・静岡県における空き家データと支援制度
具体的なデータと制度を押さえておきましょう。
データ
静岡県:空き家率16.7%(約30万戸)と過去最多水準。静岡県統計センター
静岡県:2018年→2023年で空き家数が1.3万戸増。空き家買取専科(静岡ガスグループ)
静岡市:賃貸用住宅の空き家は約32,100戸。静岡市
支援制度
静岡県宅地建物取引業協会 が運営する「ふじのくに空き家バンク」:県内の空き家情報を包括的に公開。静岡県公式情報
静岡市 の「空き家改修事業補助金」:空き家を購入・改修して賃貸に出す方を対象に、改修費の1/3(上限100万円)を支援。iju.pref.shizuoka.jp
静岡市「空き家情報バンク」:賃貸物件も登録されており、登録数126件(うち賃貸6件)という状況。静岡市
これらのデータ・制度があることで、「静岡で格安な空き家賃貸を探す」という選択肢が、単に“夢”ではなく“実践可能な戦略”であることが分かります。
4. 空き家賃貸を検討する際のメリット・注意点
メリット
賃料が市場賃料より低めに設定されているケースがあるため、コストを抑えられる可能性がある。
通常賃貸物件にはない“改修前・DIY可・広め”などの条件も交渉次第で出てくる。
移住やテレワーク、地方暮らしを検討している人にとっては、環境・コスト両面で魅力的。
支援制度を活用できる場合、改修費用の補助も受けながら住むことができる。
注意点
建物が老朽化していたり、耐震基準を満たしていない可能性がある(旧耐震基準物件も含まれている)静岡市
駅から遠かったり、公共交通の便が悪い場所も多く、日常の利便性に影響が出る場合がある。
管理が十分でない物件(草木の繁茂・所有者不明・設備古い)だと、近隣トラブルや追加改修費用の可能性がある。
賃貸契約条件・入居までの改修費用・修繕義務など、通常の賃貸とは異なる交渉・確認が必要。
格安=リスク・手間がある可能性も高いので、「自分がどこまで許容できるか」を明確にすること。
私もご案内を通じて「築年数がかなり経っていたが賃料が極めて低い物件」を紹介したことで、お客様が「コストは抑えられるが、将来の修繕費負担や交通便で苦労された」というケースも見てきました。ですから“格安”という魅力だけで飛びつかず、環境・将来性・改修可能性を必ず確認してほしいのです。
5. 私の体験談:案内・紹介して気づいた“格安空き家”の実情
静岡市中心部から少し離れた郊外エリアの空き家をご案内したことがあります。具体的には、「駅から徒歩20分」「築40年超」「所有者長期間未使用」という物件でしたが、賃料は市場より30%ほど低く設定されていました。
お客様は“コスト優先”で検討を始められたのですが、私として以下の点をヒアリング・ご案内しました。
建物の構造・耐震診断がされているかどうか。
屋根・外壁・設備(給排水・ガス・電気)の経年劣化状況。
最寄り駅・バス便・買い物・医療施設・学校などの生活利便性。
将来、転勤・住み替えが生じた際に貸しやすいか/売りやすいか。
結果として、そのお客様は「賃料が安い=魅力的だが、暮らしの安心・利便性も確保したい」と選択基準を広げられ、別の少し賃料が上の物件に決定されました。
この経験から言えるのは、空き家賃貸を“格安”だからと飛びつくのではなく、「賃料+暮らしの安心感+将来の安心感」を掛け合わせて判断するべきだということです。
6. 行動を起こすための3ステップ
空き家情報を収集する:まずは「静岡市 空き家情報バンク」「ふじのくに空き家バンク(県)」「空き家バンク しずおか」などのサイトをチェック。静岡市
物件下見・改修・費用・環境を確認する:建物の状態・交通・生活利便性・将来性(賃貸や売却可能性)を自分の目で確認。
契約・改修・入居の手続きを動かす:支援制度(改修補助金など)を利用できるか確認し、修繕・耐震・設備更新などについても見積もりを出しておく。条件交渉と契約準備を前倒しで行う。
こうしたステップを、私が案内してきたお客様で「スムーズに動けて、かつ安心して入居できた方」が実践されていました。格安空き家だからこそ“準備力”が重要です。
7. まとめ
静岡市・静岡県で「格安空き家賃貸」を検討するという選択肢は、コストを抑えつつ、暮らしを実現したい方にとって非常に魅力的です。とはいえ、空き家であるがゆえのリスク(老朽化・交通便・近隣トラブルなど)も伴います。
だからこそ、賃料だけで決めるのではなく、建物・環境・将来性を丁寧に確認することが重要です。私の経験からも、「物件を知る」「現地を見に行く」「契約前にしっかり準備する」この3ステップが、安心して住まいを選ぶ鍵になっています。
もし「静岡市で格安空き家賃貸を探したい」「空き家改修後に賃貸に出したい」というご希望がおありなら、ぜひ行動を起こしてみてください。きっと、一般賃貸市場では見つけにくい“掘り出し物件”に出会える可能性があります。