【2025年版】家を借りる時に必要なもの完全ガイド|書類・費用・持ち物を宅建士が解説

目次

  1. 家を借りる時に必要なものは「タイミング」で変わる

  2. 申込時に必要なもの(書類・情報)

  3. 契約時に必要なもの(書類・印鑑)

  4. 契約時に必要なお金(初期費用の内訳)

  5. 立場別:必要書類の違い(学生・新社会人・フリーランス)

  6. よくある質問(FAQ)


家を借りる時に必要なものは「タイミング」で変わる

家を借りる時に必要なものは、手続きの段階によって大きく異なります。私が静岡市でお客様をご案内する際、最初にお伝えするのがこのポイントです。

賃貸契約の2つのタイミング

賃貸物件を借りる手続きは、大きく2段階に分かれます。

  1. 申込時:気に入った物件に「借りたい」と意思表示する段階

  2. 契約時:入居審査を通過し、正式に契約書を交わす段階

申込時は比較的少ない書類で済みますが、契約時にはかなりの書類と費用が必要になります。私の経験では、この違いを理解していないお客様が「契約当日に書類が足りない」というトラブルに見舞われるケースが少なくありません。

準備に時間がかかるものを早めに手配

特に注意すべきは、取得に時間がかかる書類です。印鑑登録をしていない方は印鑑証明書の取得に数日かかることがあります。また、源泉徴収票を紛失している場合は会社に再発行を依頼する必要があり、1〜2週間かかることも。

物件探しを始めた段階で、必要な書類を確認し、早めに準備を始めることをお勧めします。


申込時に必要なもの(書類・情報)

申込時に必要なものは比較的シンプルです。ただし、事前に把握しておくべき情報があります。

申込時の必要書類

書類・持ち物

必要な理由

備考

身分証明書

本人確認

運転免許証、マイナンバーカード、パスポート、健康保険証など

入居申込書

申込意思の表明

不動産会社で記入

申込金(預り金)

物件の仮押さえ

0円〜家賃1ヶ月分(不要な場合も多い)

申込書に記入する情報

申込書の記入には、以下の情報が必要です。内見に行く前にメモを準備しておくと、スムーズに申し込みができます。

契約者本人の情報

  • 氏名、生年月日、現住所、電話番号

  • 勤務先名、勤務先住所、勤務先電話番号

  • 勤務先の従業員数、資本金

  • 年収、勤続年数

連帯保証人(または緊急連絡先)の情報

  • 氏名、生年月日、住所、電話番号

  • 勤務先情報、年収

  • 契約者との続柄

私がお客様にお伝えしているのは、「勤務先の従業員数や資本金は意外と覚えていないもの」ということ。事前にメモしておくか、会社のホームページで確認しておくと安心です。


契約時に必要なもの(書類・印鑑)

入居審査に通過したら、いよいよ契約です。契約時には多くの書類が必要になります。

契約時の必要書類一覧

書類

取得場所

発行手数料

有効期限の目安

住民票

市区町村役場

約300円

3ヶ月以内

印鑑証明書

市区町村役場

約300円

3ヶ月以内

収入証明書

勤務先・税務署

会社発行は無料

最新年度のもの

身分証明書のコピー

書類ごとの注意点

住民票について

住民票は、契約者本人だけでなく、入居者全員分が必要な場合があります。同居予定の家族やパートナーがいる場合は、不動産会社に確認しておきましょう。

また、マイナンバーの記載がないものを求められることがほとんどです。役所で取得する際は「マイナンバー記載なし」で申請してください。

印鑑証明書について

印鑑証明書を取得するには、事前に市区町村役場で印鑑登録を済ませておく必要があります。私の経験では、印鑑登録をしていない若いお客様が意外と多いです。

印鑑登録は、本人確認の方法によっては即日で完了しますが、自治体によっては数日かかる場合も。契約前に余裕を持って登録を済ませておくことをお勧めします。

収入証明書について

収入証明書は、職業によって異なります。

  • 会社員:源泉徴収票(年末に勤務先から発行)

  • 自営業・フリーランス:確定申告書の控え、または納税証明書

  • 年金受給者:年金振込通知書、年金額改定通知書

源泉徴収票を紛失している場合は、勤務先の人事部や経理部に再発行を依頼してください。

印鑑について

契約時に使用する印鑑は、原則として「実印」です。シャチハタ(インク浸透印)は使用できません。

認印で良い場合もありますが、印鑑証明書と照合する必要があるため、実印を持参するのが確実です。


契約時に必要なお金(初期費用の内訳)

家を借りる際の初期費用は、一般的に家賃の4〜6ヶ月分が目安です。

初期費用の内訳と相場

費用項目

相場

支払先

敷金

家賃の0〜2ヶ月分

貸主(大家さん)

礼金

家賃の0〜2ヶ月分

貸主(大家さん)

前家賃

家賃1ヶ月分

貸主または管理会社

日割り家賃

入居日による

貸主または管理会社

仲介手数料

家賃の0.5〜1ヶ月分+税

不動産会社

保証会社利用料

家賃の0.5〜1ヶ月分

保証会社

火災保険料

年間5,000〜15,000円

保険会社

鍵交換費用

1〜2万円

管理会社

具体的な計算例

家賃8万円の物件の場合(敷金1・礼金1・仲介手数料1ヶ月)

  • 敷金:8万円

  • 礼金:8万円

  • 前家賃:8万円

  • 仲介手数料:8.8万円(税込)

  • 保証会社利用料:4万円(50%の場合)

  • 火災保険料:1万円

  • 鍵交換費用:1.5万円

  • 合計:約39.3万円

国土交通省の「令和6年度住宅市場動向調査」によると、住宅の選択理由で「家賃が適切だったから」が55.5%で最も多い Owners-styleという結果が出ています。初期費用を含めたトータルコストを意識して物件選びをする方が増えているようです。(参考:国土交通省「令和6年度住宅市場動向調査」2025年6月)

初期費用を抑えるポイント

私が静岡市のお客様にお伝えしている初期費用の節約ポイントは以下の通りです。

  1. 敷金・礼金ゼロ物件を探す:物件数は限られますが、初期費用を大幅に削減できます

  2. フリーレント物件を探す:入居後1〜2ヶ月の家賃が無料になる物件

  3. 仲介手数料の交渉:法律上、貸主と借主で折半が原則なので、相談の余地あり

  4. 火災保険は自分で選ぶ:不動産会社指定の保険より安いプランがある場合も


立場別:必要書類の違い(学生・新社会人・フリーランス)

必要書類は、契約者の立場によって異なります。それぞれのケースで必要な書類と注意点を解説します。

学生の場合

学生が賃貸契約をする場合、多くのケースで親御さんが契約者となります。

必要書類

  • 学生本人:学生証、身分証明書

  • 親(契約者):住民票、印鑑証明書、収入証明書、身分証明書

2022年4月の民法改正で成人年齢が18歳に引き下げられましたが、18〜19歳の学生が単独で契約することは現実的には難しいケースが多いです。収入がないため、親が契約者または連帯保証人になることが求められます。

私の実務経験から

静岡市で大学生の一人暮らしをサポートする際、親御さんが遠方にお住まいのケースが多々あります。契約書類は郵送でやり取りすることになりますが、印鑑証明書など原本が必要な書類は時間に余裕を持って準備いただくようお願いしています。

新社会人の場合

新社会人は、まだ収入実績がないため、特別な書類が必要です。

必要書類

  • 内定通知書(採用通知書)

  • 労働条件通知書(給与額が記載されているもの)

  • 学生証(直近まで学生だった場合)

  • 身分証明書、住民票、印鑑証明書

内定先の会社名や予定年収を申込書に記載することになりますので、事前に確認しておきましょう。

フリーランス・自営業の場合

フリーランスや自営業の方は、会社員よりも審査が厳しくなる傾向があります。

必要書類

  • 確定申告書の控え(直近1〜3年分)

  • 納税証明書(税務署で取得)

  • 開業届の控え(開業間もない場合)

  • 銀行口座の残高証明書(求められる場合)

審査を通りやすくするコツ

私がフリーランスのお客様にアドバイスしているのは以下のポイントです。

  1. 確定申告書は直近3年分を用意する:収入の安定性を証明できます

  2. 預貯金の残高証明を準備する:収入が不安定でも、貯蓄があれば審査に有利

  3. 家賃は年収の3分の1以下に抑える:審査基準の目安です

  4. 独立系保証会社を選べる物件を探す:信販系より審査が柔軟なことが多い

無職・転職活動中の場合

無職の方でも賃貸契約は可能ですが、追加の書類や条件が必要です。

必要書類

  • 預貯金の残高証明書(家賃1〜2年分の貯蓄が目安)

  • 退職証明書(直近まで働いていた場合)

  • 内定通知書(転職先が決まっている場合)

収入がない場合は、連帯保証人の収入証明が重視されます。親御さんなど収入のある親族に連帯保証人をお願いできる状況を整えておくことが大切です。


よくある質問(FAQ)

Q1. 住民票は本籍地の記載が必要ですか?

A. 基本的に、本籍地の記載は不要です。むしろ、マイナンバーの記載がないものを求められることがほとんどです。役所で取得する際は「本籍地記載なし、マイナンバー記載なし」で申請してください。ただし、不動産会社によって異なる場合があるので、事前に確認することをお勧めします。

Q2. 連帯保証人がいない場合はどうすればいいですか?

A. 現在は多くの物件で保証会社の利用が必須または選択可能となっています。保証会社を利用すれば、連帯保証人がいなくても契約できます。保証会社利用料として家賃の0.5〜1ヶ月分の初期費用と、年間更新料(約1万円)がかかりますが、親族に負担をかけたくない方には便利な制度です。

Q3. 契約までにどのくらいの期間がかかりますか?

A. 一般的に、申込から契約まで1〜2週間程度です。内訳は以下の通りです。

  • 申込〜審査結果:3日〜1週間

  • 審査通過〜契約日:3日〜1週間

ただし、書類の準備が遅れると契約日が延びることがあります。特に印鑑証明書や連帯保証人の書類など、他者に依頼するものは早めに手配しましょう。

Q4. 初期費用はクレジットカード払いできますか?

A. 物件や不動産会社によって異なりますが、クレジットカード払いに対応している会社は増えています。ただし、敷金・礼金は現金または銀行振込のみという場合も多いので、事前に確認してください。クレジットカード払いができれば、ポイントが貯まるメリットもあります。

Q5. 2025年に必要書類のルールに変更はありましたか?

A. 2025年1月時点で、賃貸契約に必要な書類のルール自体に大きな変更はありません。ただし、2020年4月の民法改正で個人が連帯保証人になる場合は「極度額」(責任の上限額)を書面で定めることが義務付けられており、この点は引き続き有効です。契約書に極度額の記載があるか確認しましょう。(参考:法務省「2020年4月1日から保証に関する民法のルールが大きく変わります」)


まとめ

家を借りる時に必要なものは、申込時と契約時で異なります。準備に時間がかかる書類もあるため、物件探しを始めた段階で早めに準備を始めることが大切です。

特に初めての一人暮らしや、学生・新社会人・フリーランスの方は、通常とは異なる書類が必要になることがあります。不明点があれば、不動産会社に遠慮なく質問してください。

静岡市で賃貸物件をお探しの方は、お気軽にご相談ください。必要書類の準備から物件選び、契約までトータルでサポートいたします。


著者情報

  • 宅地建物取引士(静岡)第025298号

  • 賃貸不動産経営管理士(2)第059325号

  • 住宅ローンアドバイザー

  • 株式会社Authentill Style 代表取締役 佐須陽介

※この記事の情報は2025年1月時点のものです。法改正により内容が変わる可能性があります。最新情報は各公的機関の公式サイトでご確認ください。


参照元URL一覧

著者情報

佐須陽介

佐須陽介

代表・宅地建物取引士

宅地建物取引士(静岡) 第 025298号 賃貸不動産経営管理士(2)第 059325号 住宅ローンアドバイザー

業界歴15

静岡市出身、現在は静岡市を拠点に不動産仲介・コンサルティング業務を手掛けています。これまで新築・中古マンション、戸建、賃貸管理まで幅広く携わってきました。

数多くのお客様の住まい選びをサポート。住宅ローンの借り換え支援なども含め、現実的な選択肢を提示することに定評があります。

得意分野: 不動産仲介、住宅ローンアドバイス、賃貸管理、不動産コンサルティング
趣味: 釣り、映画鑑賞、子どもと過ごす時間。休日には街を歩きながら、地域の魅力を再発見することが楽しみです。

静岡市を拠点に不動産仲介・コンサルティング業務を手掛けています。私自身もかつて住宅ローンの借り換えを経験し、「数字に強く、現実的な選択肢を示すこと」を常に心がけています。代表メッセージ(Authentill Style)にあるように、お客様に寄り添い、安心できる住まい選びを一緒に進めたいと心から願っています。

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