静岡市で中古マンションを選ぶなら知っておきたい、不動産の本質と成功のコツ

静岡市で中古マンションを選ぶなら知っておきたい、不動産の本質と成功のコツ

はじめに:私が静岡市で不動産に関わってきた経験

はじめまして。私は宅地建物取引士として、静岡市を中心に不動産の賃貸・売買・管理業務に携わってきました。

これまで、自分自身が静岡市で賃貸物件を探した経験に加え、大手仲介フランチャイズ店舗でお客様のご案内を行ってきた実務経験もあります。また、新築・中古住宅やマンションの売買(売却・購入)に関わるほか、近年では賃貸管理や不動産活用に関する相談も多くお受けしています。

不動産というと「買うか借りるか」という二択で語られがちですが、実際には賃貸(貸す・借りる)、売買(売る・買う)、管理(貸主・借主の双方の立場から見る運用)といった複数のフェーズを一貫して理解し、将来を見通して提案できる専門家でないと、後悔するケースも少なくありません。

この記事では、特に静岡市で中古マンションを検討している方を想定し、データと現場経験を交えながら、「買って終わり」ではない不動産選びの考え方をお伝えします。

静岡市の不動産マーケットをデータで見る

賃貸市場の現状と家賃相場

静岡市における賃貸の平均家賃を見てみると、次のような傾向があります。

  • CHINTAIのデータによれば、静岡市内の築20年以内賃貸物件の家賃相場(管理費等除く)は、葵区で約6.35万円、駿河区で約6.25万円、清水区で約5.08万円となっています。
  • しずおか賃管ナビでは、ワンルームで約4.26万円、1LDK~2DKで約5.57万円、3LDK以上で約8.6万円という平均レンジを紹介しています。
  • LIFULL HOME'Sの統計でも、駅徒歩10分圏内の平均賃料は、葵区 約6.53万円、駿河区 約5.89万円、清水区 約5.75万円 という結果が出ています。

売買市場・中古マンションの動向

静岡市の中古マンション市場では、築年数・立地・管理状態・流通量が資産価値を左右する主要な要素です。近年は新築価格の上昇や供給減少の影響もあり、中古マンションの需要が着実に拡大しています。

特に、静岡駅・東静岡駅・草薙駅などの主要駅近エリアでは利便性が高く、通勤・通学・買い物すべての面で評価が上昇傾向にあります。こうしたエリアでは築20年前後の物件であっても、管理体制が整い、リフォームやリノベーション済みであれば高い人気を維持しています。

賃貸管理・空室リスクと収益性

中古マンションを購入して賃貸収入を得る「収益運用型」の需要も、静岡市で徐々に増えています。その際に重要となるのが、「管理会社の選定」「維持費や修繕コスト」「空室リスクの把握」の3点です。

静岡市では、総住宅数に対して約5.27万戸が空き家とされ、空き家率は約15.2%に達しています。この数値は、総務省の「住宅・土地統計調査」に基づくもので、全国平均(約13.6%)よりやや高い水準です。

特に、郊外エリアや築古物件では空室期間が長引く傾向があり、「駅徒歩10分以内」「駐車場付き」「管理状態良好」といった条件の有無が稼働率を大きく左右します。

中古マンションを選ぶ際のチェックポイント

中古マンションを選ぶときに、特に重視すべき観点を以下に整理します:

チェック項目 具体視点 注意点・質問すべき内容
立地・交通利便 駅徒歩時間・バス便、商業施設・公共施設へのアクセス 徒歩5〜10分以内を狙う。将来的なバス便廃止なども念頭に
建物構造・耐震・築年数 RC/SRC構造か、耐震補強履歴、耐用年数 築年数が古い場合は耐震基準適合証明・耐震化履歴の有無を確認
管理状況・修繕履歴 管理組合の実態、長期修繕計画(修繕積立金)、修繕実績 過去10年以内の大規模修繕実施の有無、積立金残高を確認
住戸の向き・環境・採光 南向きかどうか、隣接建物との距離、騒音・風通し 実際の窓からの視界を内見で確認。時間帯を変えて訪問を
設備・配管・給排水・漏水歴 給湯器・配管更新状況、水回り交換履歴 水道管や給排水設備が築年数相応かどうか、過去漏水事故の履歴
資産価値残存性 将来的な地域価値、街並み変化、再開発可能性 都市計画や将来開発予定を市の資料で確認する

上記を丁寧にチェックすれば、中古マンション購入後の「思ったより住みにくい」「売りにくい」といった後悔リスクを抑えられます。

賃貸管理・売却時・購入後のアフターサービスを見る目線

物件を所有・運用していくと、購入後・管理中・売却時それぞれに課題が出てきます。以下は、業者を選ぶ際に「この部分を見ておくべきだ」というチェック視点です。

賃貸管理フェーズ

  • 入居者対応(クレーム、退去、滞納対応など)
  • 修繕対応体制(緊急時対応、定期点検含む)
  • 家賃保証制度・保険制度の提供
  • 定期報告・収支報告・リスク情報提供

売却フェーズ

  • リフォーム・リノベーション提案力
  • 販売チャネル力(広域ポータル掲載・ネット戦略)
  • 媒介契約時の価格査定力と提案力
  • 売却後のフォロー(税務、契約手続きなど支援)

購入後も含めたフォローがしっかりできる会社と契約できれば、長く安心して資産運用できます。

まとめと読者へのメッセージ

静岡市で不動産を検討する際、賃貸・売買・管理という複数のフェーズを一貫して理解することが重要です。特に中古マンションは、価格面だけでなく、管理状況や将来のコスト見通しを把握しやすい点で、非常に実践的な選択肢となります。

まずは信頼できる不動産業者に相談し、物件をリストアップして現地チェックを進めてみてください。あなたの静岡市での不動産選びが、後悔のないものになるよう、心から応援しています。

参考資料

本記事は以下の公的機関・業界団体のデータを参考に作成しました。

著者情報

佐須陽介

佐須陽介

代表・宅地建物取引士

宅地建物取引士(静岡) 第 025298号 賃貸不動産経営管理士(2)第 059325号 住宅ローンアドバイザー

業界歴15

静岡市出身、現在は静岡市を拠点に不動産仲介・コンサルティング業務を手掛けています。これまで新築・中古マンション、戸建、賃貸管理まで幅広く携わってきました。

数多くのお客様の住まい選びをサポート。住宅ローンの借り換え支援なども含め、現実的な選択肢を提示することに定評があります。

得意分野: 不動産仲介、住宅ローンアドバイス、賃貸管理、不動産コンサルティング
趣味: 釣り、映画鑑賞、子どもと過ごす時間。休日には街を歩きながら、地域の魅力を再発見することが楽しみです。

静岡市を拠点に不動産仲介・コンサルティング業務を手掛けています。私自身もかつて住宅ローンの借り換えを経験し、「数字に強く、現実的な選択肢を示すこと」を常に心がけています。代表メッセージ(Authentill Style)にあるように、お客様に寄り添い、安心できる住まい選びを一緒に進めたいと心から願っています。

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