【2025年版】賃貸物件の種類を宅建士が解説|アパート・マンションの違いとは

目次

  1. 賃貸物件の種類とは?基本的な分類

  2. アパートとマンションの違い

  3. その他の賃貸物件の種類

  4. 構造別の特徴と選び方

  5. よくある誤解と注意点

  6. よくある質問(FAQ)


導入

「アパートとマンション、どう違うんですか?」

私が賃貸仲介を担当していると、このような質問を本当によく受けます。

実は、アパートとマンションには法律上の明確な定義がありません。不動産会社やポータルサイトが独自の基準で分類しているのが実情です。

(参考:UR賃貸住宅「アパートやマンションの違いは?」https://www.ur-net.go.jp/chintai/college/202202/000827.html

そのため、「マンションだから防音性が高い」「アパートだから安い」といった先入観だけで判断すると、失敗することがあります。

私が10年以上の実務経験で感じているのは、物件の種類や名称よりも、構造や築年数、管理状態を見ることが大切ということです。

この記事では、賃貸物件の種類について、宅建士としての実務経験を交えてわかりやすく解説します。


1. 賃貸物件の種類とは?基本的な分類

賃貸物件は大きく分けて3種類

賃貸物件は、建物の形態によって大きく3つに分類できます。

①集合住宅(共同住宅) 複数の住戸が1つの建物に入っている形態。アパート、マンション、団地などがこれに該当します。

②一戸建て(貸家) 1つの建物に1世帯が住む形態。庭付きの一軒家を賃貸で借りるケースです。

③長屋・テラスハウス 複数の住戸が横につながっている形態。各住戸に専用の玄関があります。

私が静岡市で賃貸仲介を担当している中では、圧倒的に集合住宅の問い合わせが多いです。特に一人暮らしや新婚世帯は、アパートやマンションから探し始める方がほとんどです。

法律上の定義はない

ここで重要なポイントがあります。

アパートやマンションという名称には、法律上の明確な定義がありません。

不動産公正取引協議会連合会の「不動産の表示に関する公正競争規約」では、マンションを「鉄筋コンクリート造りその他堅固な建物」と定義していますが、これも業界団体の自主規制であり、法律ではありません。

(参考:ホームアドパーク「アパートとマンションの違いとは?」https://www.home-adpark.jp/contents/apart_mansion/

私が実務で感じているのは、「アパートかマンションか」という名称にこだわるよりも、構造や設備を個別に確認することが重要ということです。


2. アパートとマンションの違い

一般的な分類基準

法律上の定義はありませんが、不動産業界では一般的に以下のような基準で分類されています。

項目

アパート

マンション

構造

木造・軽量鉄骨造

鉄筋コンクリート造(RC)・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC)

階数

2〜3階建て

3階建て以上

家賃

比較的安い

比較的高い

防音性

低め

高め

防犯設備

少ない傾向

充実している傾向

(参考:東急リバブル「アパートとマンションの違いは?」2025年2月 https://www.livable.co.jp/l-note/question/1777/

ただし、これはあくまで「傾向」であり、すべての物件に当てはまるわけではありません。

アパートのメリット・デメリット

メリット

  • 家賃が比較的安い

  • 管理費・共益費が安い(エレベーターがない分)

  • 木造の場合、通気性が良く結露しにくい

  • 階数が少ないため、避難しやすい

デメリット

  • 防音性が低い傾向がある

  • 防犯設備が少ない傾向がある

  • 築年数によっては断熱性が低い

私が2025年1月に担当したお客様で、「防音性が心配」と言っていた方がいましたが、実際に内見してみると、新築のアパートで防音対策がしっかりされており、隣の部屋の音はほとんど聞こえませんでした。

アパート=防音性が低い、とは限らないのです。

マンションのメリット・デメリット

メリット

  • 防音性が高い傾向がある

  • オートロックや防犯カメラなど、防犯設備が充実

  • 耐震性・耐火性に優れている

  • 断熱性が高く、冷暖房効率が良い

デメリット

  • 家賃が比較的高い

  • 管理費・共益費が高い傾向

  • 気密性が高いため、結露しやすいことがある

私の経験では、築年数が古いマンションよりも、新築のアパートの方が住み心地が良いというケースも珍しくありません。


3. その他の賃貸物件の種類

テラスハウス

テラスハウスは、複数の住戸が横につながった長屋形式の住宅です。各住戸に専用の玄関があり、2階建てが多いのが特徴です。

テラスハウスのメリット

  • 上下階の騒音を気にしなくてよい(自分の住戸内で完結)

  • 専用の庭やテラスがあることが多い

  • 戸建て感覚で住める

デメリット

  • 隣との壁を共有するため、横からの音が気になることがある

  • 物件数が少ない

私が静岡市駿河区で2024年に担当したテラスハウスでは、小さなお子さんがいるご家庭に人気でした。「上下の音を気にしなくていい」という点が決め手だったそうです。

メゾネット

メゾネットは、1つの住戸が2階層以上にわたっている物件です。集合住宅でありながら、室内に階段があり、戸建て感覚で住めるのが特徴です。

メゾネットのメリット

  • 集合住宅でありながら戸建て感覚

  • 生活空間と寝室を階で分けられる

  • 天井が高く開放感がある

デメリット

  • 階段があるため、高齢者や小さな子どもには不向きな場合も

  • 冷暖房効率が悪くなることがある

団地(公営住宅・UR賃貸)

団地は、広い敷地に複数の建物が建てられた住宅群です。公営住宅やUR賃貸住宅が代表的です。

団地のメリット

  • 礼金・仲介手数料がかからない(UR賃貸の場合)

  • 敷地内に公園や商業施設があることが多い

  • 更新料がかからない(UR賃貸の場合)

デメリット

  • 築年数が古い物件が多い

  • 入居条件がある場合がある(公営住宅)

  • 人気物件は抽選になることがある

(参考:UR賃貸住宅「アパートやマンションの違いは?」https://www.ur-net.go.jp/chintai/college/202202/000827.html


4. 構造別の特徴と選び方

建物構造の種類

賃貸物件を選ぶ際に重要なのは、名称よりも構造です。主な構造は以下の4種類です。

構造

略称

特徴

木造

W造

通気性◎、コスト◎、防音△

軽量鉄骨造

S造

耐久性○、コスト○、防音△

鉄筋コンクリート造

RC造

防音◎、耐震◎、コスト△

鉄骨鉄筋コンクリート造

SRC造

防音◎、耐震◎、高層対応

構造別の選び方

私が実務でお客様にお伝えしているのは、以下のような選び方です。

防音性を重視するなら → RC造・SRC造のマンション 鉄筋コンクリートの壁は音を通しにくいため、隣室の生活音が気になりにくいです。

家賃を抑えたいなら → 木造・軽量鉄骨造のアパート 建築コストが低い分、家賃も抑えられる傾向があります。

結露が気になるなら → 木造のアパート 木造は通気性が良く、結露しにくい特徴があります。

ただし、これはあくまで「傾向」です。私が2025年2月に担当した築5年の木造アパートは、防音対策がしっかりされており、RC造のマンションと遜色ない住み心地でした。


5. よくある誤解と注意点

誤解①:「マンション」と名前がつけば防音性が高い

これは最も多い誤解です。

物件名に「○○マンション」とついていても、構造が軽量鉄骨造であれば、防音性はアパートと変わりません。

私が2024年に担当したお客様で、「マンションだから大丈夫」と思って契約したら、隣の生活音がかなり聞こえて後悔した…というケースがありました。

物件名ではなく、構造を確認することが大切です。

誤解②:「アパート」は古くて設備が悪い

最近のアパートは、マンション並みの設備を備えた物件も増えています。

オートロック、宅配ボックス、モニター付きインターホンなど、防犯設備が充実したアパートも珍しくありません。

(参考:SUUMO「アパートとマンションの違いは?」2024年11月 https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chintai/fr_room/apart_mansion/

誤解③:「コーポ」「ハイツ」は特別な物件

「コーポ」「ハイツ」「メゾン」「カーサ」「レジデンス」などの名称には、特別な意味はありません

これらは単に建物のオーナーや管理会社が付けた名前であり、構造や設備を示すものではありません。

私が実務で見てきた中では、「○○ハイツ」という名前のRC造マンションもあれば、「○○マンション」という名前の木造2階建て物件もありました。


6. よくある質問(FAQ)

Q1: アパートとマンション、どちらを選ぶべきですか?

A: 一概には言えませんが、以下を参考にしてください。

  • 家賃を抑えたい → アパートから探す

  • 防音性を重視 → RC造・SRC造のマンションから探す

  • セキュリティを重視 → オートロック付きマンションから探す

ただし、最終的には個別の物件を内見して判断することをお勧めします。

Q2: 法律上、アパートとマンションの定義はありますか?

A: ありません。法律上の明確な定義は存在せず、不動産会社やポータルサイトが独自の基準で分類しています。

Q3: 構造はどこで確認できますか?

A: 物件情報の「構造」欄に記載されています。「木造」「鉄骨造」「RC造」「SRC造」などと表記されているので、確認してみてください。不明な場合は、不動産会社に問い合わせれば教えてもらえます。


まとめ

賃貸物件の種類について、ポイントを3つにまとめます。

アパートとマンションに法律上の定義はない:名称ではなく、構造や設備を確認することが大切です。

構造で特徴が変わる:防音性を重視するならRC造・SRC造、家賃を抑えたいなら木造・軽量鉄骨造を検討しましょう。

先入観にとらわれない:新築アパートは古いマンションより住み心地が良いこともあります。個別の物件を見て判断しましょう。

静岡市で賃貸物件をお探しの方、「どの種類の物件が自分に合っているかわからない」という方は、お気軽にAuthentill Styleまでご相談ください。ご要望をお聞きした上で、最適な物件をご提案いたします。


■ 参考データ出典一覧

著者情報

佐須陽介

佐須陽介

代表・宅地建物取引士

宅地建物取引士(静岡) 第 025298号 賃貸不動産経営管理士(2)第 059325号 住宅ローンアドバイザー

業界歴15

静岡市出身、現在は静岡市を拠点に不動産仲介・コンサルティング業務を手掛けています。これまで新築・中古マンション、戸建、賃貸管理まで幅広く携わってきました。

数多くのお客様の住まい選びをサポート。住宅ローンの借り換え支援なども含め、現実的な選択肢を提示することに定評があります。

得意分野: 不動産仲介、住宅ローンアドバイス、賃貸管理、不動産コンサルティング
趣味: 釣り、映画鑑賞、子どもと過ごす時間。休日には街を歩きながら、地域の魅力を再発見することが楽しみです。

静岡市を拠点に不動産仲介・コンサルティング業務を手掛けています。私自身もかつて住宅ローンの借り換えを経験し、「数字に強く、現実的な選択肢を示すこと」を常に心がけています。代表メッセージ(Authentill Style)にあるように、お客様に寄り添い、安心できる住まい選びを一緒に進めたいと心から願っています。

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