家の売却相場はいくら?宅建士が教える価格の調べ方と高く売るコツ
目次
2025年の家の売却相場|最新の市場動向
築年数別の売却相場目安
家の売却相場の調べ方【4つの方法】
静岡市で家を売る場合の相場と実例
相場より高く売るためのポイント
家の売却で失敗しないために
はじめに
「親から相続した家を売りたいけど、いくらで売れるの?」 「住み替えを考えているけど、今の家の価値がわからない」
私のもとには、家の売却相場に関するこうした相談が日常的に寄せられます。特に2025年に入ってからは「今が売り時なのか」という問い合わせが増加しており、市場動向への関心の高さを実感しています。
結論からお伝えすると、2025年現在、家の売却相場は種別によって状況が異なります。マンションは依然として高値圏を維持している一方、戸建て住宅は横ばい傾向です。ただし、同じ「家」でも築年数やエリアによって価格は大きく変動するため、一概に「高い」「安い」とは言えません。
この記事では、宅地建物取引士として10年以上不動産売買に携わってきた私が、2025年最新の売却相場と、ご自身の家の価値を把握する方法について詳しく解説します。
1. 2025年の家の売却相場|最新の市場動向
不動産価格指数から見る相場の推移
国土交通省が発表している不動産価格指数(2010年平均を100とした指数)を見ると、2025年現在の住宅市場の状況がよく分かります。
2025年9月公表のデータによると、住宅総合の不動産価格指数は144.1となっており、2010年と比較して約44%上昇していることがわかります(参考:国土交通省「不動産価格指数(令和7年6月・令和7年第2四半期分)」)。
種別ごとに見ると、以下のような状況です。
マンション(区分所有):216.8(2010年の2倍以上)
戸建住宅:118.8(緩やかな上昇後、横ばい傾向)
住宅地(土地):119.6
マンションの価格上昇が際立っている一方、戸建住宅は2022年頃から上昇幅が縮小し、現在は横ばいに近い状態です。
2025年の市場環境|私が感じている変化
私が2025年に入ってから実務で感じているのは、「売却物件は増えているが、買い手の慎重姿勢も強まっている」という状況です。
2024年3月に日銀がマイナス金利政策を解除して以降、住宅ローン金利は上昇基調にあります。これにより、購入希望者の中には「もう少し様子を見たい」という方も増えてきました。
一方で、建築資材や人件費の高騰により新築住宅の価格は上がり続けているため、中古住宅への需要は依然として堅調です。私が2025年1月〜3月に担当した売却案件でも、適正価格で売り出した物件は平均2か月程度で成約に至っています。
2. 築年数別の売却相場目安
築年数と売却価格の関係
家の売却価格を決める最も大きな要因の一つが「築年数」です。
東日本不動産流通機構(レインズ)が発表した2025年1〜3月の首都圏データによると、築年数別の売却価格は以下のようになっています(参考:東日本レインズ「首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況【2025年01~03月】」)。
【一戸建ての築年数別売却相場(首都圏)】
築年数 | 平均成約価格 | 新築比での目安 |
築0〜5年 | 約5,164万円 | 100% |
築6〜10年 | 約4,600万円程度 | 約90% |
築11〜15年 | 約4,000万円程度 | 約77% |
築16〜20年 | 約3,500万円程度 | 約68% |
築21〜25年 | 約2,800万円程度 | 約54% |
築26〜30年 | 約2,400万円程度 | 約46% |
築31年以上 | 約2,200万円程度 | 約43% |
※地域や物件条件により大きく異なります
築20年を超えると「土地価格」が中心に
木造一戸建ての場合、法定耐用年数は22年とされています。このため、築20年を超えると建物の評価がほぼゼロとなり、土地の価格が売却価格の大部分を占めるようになります。
私が2025年2月に担当した静岡市駿河区の物件(築28年・4LDK)では、建物評価はほぼゼロでしたが、駅徒歩12分という立地条件から土地の評価が高く、最終的に1,850万円で成約しました。
一方で、駅から遠い郊外の物件では、土地価格も低くなるため、築古物件の売却には苦戦するケースが多いのが実情です。
売却タイミングの考え方
「築何年で売るのが良いか」という質問をよくいただきますが、私は以下のようにお答えしています。
築10年前後がバランスの取れたタイミング
建物の状態が比較的良好で、買い手が付きやすい
住宅ローン控除の終了時期と重なる方が多い
大規模修繕(外壁塗装など)の前に売却できる
ただし、売却のベストタイミングは「売りたいと思ったとき」でもあります。市場相場を読み切ることは専門家でも難しいため、ご自身のライフプランを優先することをお勧めします。
3. 家の売却相場の調べ方【4つの方法】
方法1:不動産ポータルサイトで類似物件を検索
最も手軽な方法は、SUUMO、HOME'S、アットホームなどのポータルサイトで、ご自身の家と条件が似た物件の「売り出し価格」を調べることです。
検索時のポイント:
同じエリア(市区町村、できれば同じ町内)
同じような築年数(±5年程度)
同じような間取り・面積
駅からの距離が近い
ただし、ポータルサイトに掲載されている価格は「売り出し価格」であり、実際の「成約価格」とは異なることに注意が必要です。私の経験では、売り出し価格から5〜10%程度値引きして成約するケースが多いです。
方法2:不動産情報ライブラリで過去の取引事例を確認
国土交通省が運営する「不動産情報ライブラリ」では、実際に取引された過去の成約事例を確認できます。
不動産情報ライブラリの使い方:
不動産情報ライブラリにアクセス
「不動産価格の情報をご覧になりたい方へ」をクリック
地域や条件を入力して検索
※2024年3月末で「土地総合情報システム」は廃止され、「不動産情報ライブラリ」に移行しています。
方法3:レインズマーケットインフォメーションを活用
「レインズマーケットインフォメーション」は、不動産流通機構が運営するデータベースで、過去1年間の成約事例を検索できます。
ポータルサイトの売り出し価格ではなく「実際に売れた価格」を確認できるため、より実態に近い相場を把握できます。
方法4:不動産会社に査定を依頼する
最も精度の高い方法は、不動産会社に査定を依頼することです。査定には「机上査定」と「訪問査定」の2種類があります。
机上査定(簡易査定):
登記簿や周辺取引事例をもとに、訪問せずに概算価格を算出
早ければ当日〜数日で結果が出る
「まずは大まかな価格を知りたい」という方向け
訪問査定:
実際に物件を訪問し、建物の状態や周辺環境を確認して査定
1〜2週間程度で結果が出る
売却を本格的に検討している方向け
私がお客様にお勧めしているのは、複数の不動産会社(3社程度)に査定を依頼し、価格を比較することです。査定価格は会社によって数百万円の差が出ることも珍しくありません。
4. 静岡市で家を売る場合の相場と実例
静岡市の売却相場
静岡県の中古一戸建て売却価格相場は約1,850万円です(2025年5月時点・SUUMO調べ)。前年比では98.4%とほぼ横ばいの状況が続いています(参考:SUUMO「静岡県の一戸建て売却価格相場」)。
2025年の公示地価を見ると、静岡県の住宅地平均は7万2,002円/㎡(坪単価約23万8千円)で、前年比-0.04%とほぼ横ばいです。17年ぶりにマイナス圏を脱したことが話題となりました(参考:静岡新聞アットエス「2025年公示地価」)。
静岡市に限ると、住宅地の公示地価は11万7,137円/㎡(坪単価約38万7千円)で、前年比+0.61%の上昇となっています(参考:tochidai.info「静岡市の土地価格相場」)。
エリア別の特徴
静岡市内でも、エリアによって相場や売却のしやすさには差があります。
静岡市葵区(中心部):
JR静岡駅周辺は地価が高く、中古住宅の需要も堅調
築30年以上でも、駅徒歩圏内であれば比較的売りやすい
相場:2,000万円〜3,500万円程度(築年数・立地による)
静岡市駿河区:
静岡ICや新静岡駅へのアクセスが良い住宅街
ファミリー層からの需要が安定
相場:1,500万円〜2,500万円程度
静岡市清水区:
沿岸部は津波リスクを懸念する買い手も
内陸部の住宅地は比較的安定
相場:1,200万円〜2,000万円程度
私が担当した売却事例
【事例1】相続物件の売却(静岡市葵区)
2025年1月、お父様から相続した築35年の一戸建てについてご相談を受けました。
物件:築35年・4LDK・土地約50坪
立地:静岡駅徒歩18分
売主様の希望:できるだけ早く売却したい
査定額:1,680万円
最終成約:1,620万円(約1か月半で成約)
建物は古いものの、整形地で日当たりが良かったため、「古家付き土地」として購入検討者がすぐに見つかりました。
【事例2】住み替えのための売却(静岡市駿河区)
2025年3月、お子様の独立を機に住み替えを検討されているご夫婦からのご依頼でした。
物件:築22年・5LDK・土地約60坪
立地:最寄り駅徒歩25分(車社会エリア)
課題:駅から遠い、間取りが大きい
査定額:1,450万円
対策:周辺相場より若干低めの価格設定+ホームステージング
駅から離れているため苦戦を覚悟しましたが、「広い庭で家庭菜園がしたい」という買主様が現れ、約2か月で1,400万円にて成約しました。
5. 相場より高く売るためのポイント
ポイント1:複数社に査定を依頼する
前述の通り、査定価格は不動産会社によって異なります。1社だけの査定で売却を決めてしまうと、本来得られるはずだった金額を逃す可能性があります。
私の経験では、3社に査定を依頼した場合、最高値と最低値で300万円以上の差がついたケースもあります。
ポイント2:売り出し価格は「相場のやや上」から
売却活動を始める際、売り出し価格の設定は非常に重要です。
高すぎると問い合わせが来ず、低すぎると損をしてしまいます。私がお勧めしているのは、「査定額の5〜10%上乗せ」でスタートする方法です。
これにより、値引き交渉の余地を残しつつ、相場に近い価格での成約を狙えます。ただし、2〜3か月経っても反応がなければ、価格の見直しが必要です。
ポイント3:第一印象を良くする
内覧時の第一印象は、成約に大きく影響します。特に以下の点を心がけてください。
玄関・水回りの清掃:最も目につく場所を重点的に
不用品の処分:生活感を減らし、空間を広く見せる
臭い対策:ペットや喫煙の臭いは要注意
明るさの確保:カーテンを開け、照明をつける
私が担当した物件で、同じエリア・同じ築年数でも、清掃・整理整頓を徹底した物件は、そうでない物件より10%以上高く売れたケースがあります。
ポイント4:売却時期を選ぶ
不動産市場には「繁忙期」と「閑散期」があります。
繁忙期(1〜3月、9〜11月):転勤や進学シーズン前で購入希望者が多い
閑散期(4〜8月、12月):動きが鈍くなる傾向
可能であれば、繁忙期に合わせて売却活動を行うことで、より多くの購入検討者に物件を見てもらえます。
6. 家の売却で失敗しないために
査定額が「高すぎる」会社に注意
不動産会社の中には、契約を取りたいがために相場より大幅に高い査定額を提示するケースがあります。
高い査定額に惹かれて契約しても、実際には売れずに長期間塩漬けになり、結局大幅に値下げして売却することになる…というのは、よくある失敗パターンです。
査定額の根拠(周辺取引事例、市場動向など)を丁寧に説明してくれる会社を選ぶことが大切です。
住宅ローンが残っている場合の注意点
住宅ローンの残債がある場合、売却代金で完済できなければ、原則として売却はできません。
売却を検討する際は、まず以下を確認しましょう。
現在のローン残高(金融機関に照会)
想定される売却価格(査定を依頼)
売却にかかる費用(仲介手数料、税金など)
売却価格がローン残高を下回る「オーバーローン」の状態では、差額を自己資金で補填する必要があります。
売却にかかる費用と税金
家を売却する際には、以下の費用がかかります。
費用項目 | 目安 |
仲介手数料 | 売却価格×3%+6万円+消費税 |
印紙税 | 1万円〜(売却価格による) |
抵当権抹消費用 | 1〜2万円 |
譲渡所得税・住民税 | 利益が出た場合のみ |
特に注意したいのが「譲渡所得税」です。売却益が出た場合、所有期間が5年以下なら約39%、5年超なら約20%の税率がかかります。
ただし、マイホームを売却した場合は「3,000万円特別控除」が適用できる可能性があるため、ほとんどのケースで非課税となります。税金については、必ず税理士にご相談ください。
【まとめ】
家の売却相場について、2025年最新の市場動向から調べ方、高く売るコツまで解説しました。
この記事のポイント:
2025年の市場:マンションは高値継続、戸建ては横ばい傾向
築年数の影響:築20年を超えると建物価値はほぼゼロ、土地価格が中心に
相場の調べ方:ポータルサイト、不動産情報ライブラリ、不動産会社への査定依頼
静岡市の相場:平均約1,850万円(エリア・築年数により大きく変動)
高く売るコツ:複数社への査定依頼、適切な価格設定、第一印象の向上
家の売却は、多くの方にとって人生で最も大きな取引の一つです。相場を把握し、信頼できる不動産会社と二人三脚で進めることが、成功への近道です。
参照元URL一覧
国土交通省「不動産価格指数(令和7年6月・令和7年第2四半期分)」2025年9月:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk5_000085.html
東日本不動産流通機構(レインズ)「首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況【2025年01~03月】」:http://www.reins.or.jp/
SUUMO「静岡県の一戸建て売却価格相場」2025年5月:https://suumo.jp/baikyaku/chukoikkodate/soba/shizuoka/
静岡新聞アットエス「2025年公示地価」2025年3月:https://www.at-s.com/life/article/ats/1704332.html
tochidai.info「静岡市の土地価格相場」:https://tochidai.info/shizuoka/shizuoka/
国土交通省「不動産情報ライブラリ」:https://www.reinfolib.mlit.go.jp/
著者情報

佐須陽介
代表・宅地建物取引士
宅地建物取引士(静岡) 第 025298号 賃貸不動産経営管理士(2)第 059325号 住宅ローンアドバイザー
業界歴15年
静岡市出身、現在は静岡市を拠点に不動産仲介・コンサルティング業務を手掛けています。これまで新築・中古マンション、戸建、賃貸管理まで幅広く携わってきました。
数多くのお客様の住まい選びをサポート。住宅ローンの借り換え支援なども含め、現実的な選択肢を提示することに定評があります。
静岡市を拠点に不動産仲介・コンサルティング業務を手掛けています。私自身もかつて住宅ローンの借り換えを経験し、「数字に強く、現実的な選択肢を示すこと」を常に心がけています。代表メッセージ(Authentill Style)にあるように、お客様に寄り添い、安心できる住まい選びを一緒に進めたいと心から願っています。
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