【2025年版】家は買うべき?借りるべき?宅建士が徹底比較
目次
この記事の評価基準
持ち家と賃貸の比較表
持ち家のメリット・デメリット
賃貸のメリット・デメリット
生涯コストをシミュレーションで比較
ライフスタイル別おすすめ
よくある質問(FAQ)
私の結論
導入
「家は買うべきか、借りるべきか」
不動産業界で10年以上働いてきた私のもとには、この相談が本当に多く寄せられます。
結論から言うと、どちらが正解かは人によって異なります。
「持ち家の方が1,300万円お得」という試算もあれば、「賃貸の方が柔軟で良い」という意見もあります。どちらも間違いではありませんが、それはあくまで特定の条件下での話です。
(参考:総務省統計局「令和5年 住宅・土地統計調査」によると、2023年の持ち家比率は約60.9%、賃貸比率は約39.1%となっています)
この記事では、持ち家と賃貸それぞれのメリット・デメリット、生涯コストのシミュレーション、そしてライフスタイル別のおすすめを、私の実務経験を交えて解説します。
1. この記事の評価基準
この記事では、以下の5つの基準で持ち家と賃貸を比較しました。
初期費用:購入時・入居時にかかる費用
ランニングコスト:毎月・毎年かかる費用
資産性:将来的な資産価値
柔軟性:住み替えやすさ、ライフスタイルへの対応
老後の安心:定年後の住まいの確保
※住宅ローン控除等の税制は2025年1月時点の情報を基にしています。最新情報は国土交通省や税務署の公式サイトでご確認ください。
2. 持ち家と賃貸の比較表
まず、持ち家と賃貸の主な違いを比較表でご覧ください。
項目 | 持ち家 | 賃貸 |
初期費用 | 物件価格の5〜10%程度 | 家賃4〜6ヶ月分程度 |
月々の支払い | 住宅ローン返済 | 家賃 |
固定資産税 | あり(年10〜15万円程度) | なし |
修繕費用 | 自己負担 | 大家負担 |
住宅ローン控除 | 最大455万円(13年間) | なし |
資産性 | 資産として残る | なし |
住み替えやすさ | 難しい | 容易 |
老後の入居審査 | 不要 | 審査が厳しくなる場合あり |
リフォームの自由度 | 自由 | 制限あり |
※2025年1月時点の情報を基に作成(自社作成の比較表)
3. 持ち家のメリット・デメリット
持ち家のメリット
①資産として残る
持ち家の最大のメリットは、住宅ローンを完済すれば自分の資産になることです。
私が新築建売住宅の販売を担当していた頃、多くのお客様が「家賃を払い続けても何も残らないのがもったいない」とおっしゃっていました。その気持ちはよく分かります。
特に静岡市のような地方都市では、住宅価格が首都圏ほど高くないため、家賃並みのローン返済で持ち家を持てるケースも少なくありません。
②住宅ローン控除が使える
住宅ローン控除は、持ち家を購入する際の大きなメリットです。
(参考:国土交通省「住宅ローン減税」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html)
2025年時点で、新築の長期優良住宅を購入した場合、**最大455万円(13年間)**の税金が控除されます。
特に子育て世帯・若者夫婦世帯(19歳未満の子がいる世帯、または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯)は、借入限度額が優遇されています。
③老後の住居費を抑えられる
住宅ローンを完済すれば、老後の住居費は固定資産税と修繕費のみになります。年金生活になっても、家賃を払い続ける必要がないのは大きな安心です。
④リフォームが自由にできる
持ち家であれば、自分の好みに合わせてリフォームが自由にできます。子どもの成長や家族構成の変化に合わせて、間取りを変えることも可能です。
持ち家のデメリット
①住み替えが難しい
持ち家の最大のデメリットは、簡単に引っ越せないことです。
転勤や転職で住む場所が変わる可能性がある方にとっては、これは大きなリスクになります。
私が静岡市で担当したお客様の中にも、「転勤になったときに売却できるか不安」という声がありました。その場合は、売却しやすい立地(駅近など)を選ぶことをおすすめしています。
②住居費を下げられない
収入が減っても、住宅ローンの返済額を減らすことはできません。賃貸であれば家賃の安い物件に引っ越すことで対応できますが、持ち家ではそうはいきません。
③維持費がかかる
持ち家は、修繕やメンテナンスの費用がすべて自己負担になります。
一般的に、戸建ての場合は築10〜15年で外壁や屋根の修繕が必要になり、100〜200万円程度かかることがあります。
④災害リスク
地震や台風などの災害で損傷を受けた場合、修繕費用は自己負担です。火災保険や地震保険に加入していても、すべてをカバーできるとは限りません。
4. 賃貸のメリット・デメリット
賃貸のメリット
①住み替えが自由
賃貸の最大のメリットは、ライフスタイルの変化に合わせて柔軟に住み替えられることです。
転勤、結婚、離婚、子どもの独立など、人生にはさまざまな変化があります。賃貸であれば、そのたびに最適な住まいを選び直すことができます。
②初期費用が少ない
持ち家を購入する場合、頭金や諸費用として物件価格の5〜10%程度が必要です。3,000万円の物件なら150〜300万円です。
一方、賃貸の初期費用は家賃の4〜6ヶ月分程度。家賃8万円であれば32〜48万円程度で済みます。
③修繕費用がかからない
賃貸では、設備の故障や老朽化による修繕費用は基本的に大家さんの負担です。エアコンが壊れても、給湯器が故障しても、自己負担で修理する必要はありません。
④収入に合わせて住居費を調整できる
収入が減った場合、家賃の安い物件に引っ越すことで住居費を下げられます。これは持ち家にはない柔軟性です。
賃貸のデメリット
①家賃を一生払い続ける
賃貸の最大のデメリットは、どれだけ家賃を払っても資産にならないことです。
老後も年金から家賃を払い続ける必要があり、年金だけで生活するのが厳しくなる可能性があります。
②高齢になると契約が難しくなる
私が賃貸仲介を担当していて感じるのは、高齢者の入居審査が厳しい物件が多いということです。
年金収入のみで連帯保証人がいない場合、希望する物件に住めないケースがあります。高齢者向けの住宅や保証会社を活用するなど、対策を早めに考えておく必要があります。
③リフォームの自由度が低い
賃貸では、壁に穴を開けたり、設備を交換したりすることは基本的にできません。「自分好みの住まいにしたい」という方には物足りなく感じるかもしれません。
④ファミリー向け物件が少ない
私の経験では、賃貸市場には4LDK以上のファミリー向け物件が少ない傾向があります。子どもが多い家庭では、希望に合う賃貸物件を見つけるのが難しいケースがあります。
5. 生涯コストをシミュレーションで比較
シミュレーション条件
50年間住んだ場合のコストを試算してみましょう。
持ち家の条件
物件価格:3,500万円
頭金:350万円
住宅ローン:3,150万円(35年・金利1.3%)
月々返済:約9.4万円
固定資産税:年12万円
修繕費:50年で500万円
賃貸の条件
家賃:月10万円(管理費込み)
更新料:2年ごとに1ヶ月分
引越し費用:15年ごとに30万円
シミュレーション結果
項目 | 持ち家 | 賃貸 |
初期費用 | 450万円 | 50万円 |
ローン返済/家賃 | 3,950万円(35年) | 6,000万円(50年) |
固定資産税 | 600万円 | 0円 |
修繕費・更新料等 | 500万円 | 350万円 |
合計 | 約5,500万円 | 約6,400万円 |
※住宅ローン控除(約300万円想定)を差し引くと、持ち家は約5,200万円
このシミュレーションでは、持ち家の方が約1,200万円お得という結果になりました。
ただし、これはあくまで一例です。以下の条件によって結果は大きく変わります。
住む期間(短期間なら賃貸有利)
住宅ローン金利
物件価格と家賃の比較
修繕費用の実績
物件の売却価格(資産価値)
6. ライフスタイル別おすすめ
持ち家が向いている人
①収入が安定している人
住宅ローンは長期間にわたる返済が必要です。公務員や大企業勤務など、収入が安定している方に向いています。
②定年までにローンを完済できる人
35歳で35年ローンを組むと、完済は70歳。できれば定年(65歳前後)までに完済できる計画が理想的です。
③4LDK以上の広い住まいが必要な人
子どもが複数いる家庭など、広い住まいが必要な場合は持ち家が有利です。賃貸では選択肢が限られます。
④老後の住まいに不安がある人
高齢になってからの賃貸契約に不安がある方は、早めに持ち家を購入しておくことで安心を得られます。
賃貸が向いている人
①転勤や転職の可能性がある人
住む場所が確定していない方は、柔軟に動ける賃貸が向いています。
②収入が不安定な人
自営業やフリーランスで収入に波がある方は、住居費を調整しやすい賃貸が安心です。
③大きな借金を避けたい人
住宅ローンという数千万円の借金を背負いたくない方は、賃貸という選択肢があります。
④将来、実家に戻る予定がある人
いずれ地元の実家に戻る予定がある方は、それまでは賃貸で暮らす方が合理的です。
どちらを選ぶべきか迷っている方は、お気軽にAuthentill Styleにご相談ください。ご家族のライフプランを伺った上で、最適な選択肢をご提案いたします。
7. よくある質問(FAQ)
Q1: 何歳までに家を買うべきですか?
A: 住宅ローンを組む場合、完済時年齢の上限が設定されていることが多いです(一般的に80歳まで)。
35年ローンを組むなら45歳が上限になります。ただし、定年までに完済することを考えると、30代のうちに購入を検討するのがおすすめです。
Q2: 頭金はどのくらい必要ですか?
A: 一般的に物件価格の10〜20%と言われますが、最近は頭金なし(フルローン)でも購入可能な金融機関が増えています。
ただし、諸費用(物件価格の5〜10%程度)は現金で用意する必要があるケースが多いので、注意が必要です。
Q3: 賃貸と持ち家、老後はどちらが安心ですか?
A: 老後の安心という点では、持ち家の方が有利です。
賃貸は高齢になると入居審査が厳しくなる傾向があり、年金収入だけでは希望する物件に住めないケースがあります。
一方、持ち家であれば住宅ローンを完済していれば、固定資産税と修繕費のみで住み続けられます。
Q4: 住宅ローン控除は2026年以降もありますか?
A: 現行の住宅ローン控除は2025年12月31日入居までが対象です。2026年以降については、今後の税制改正次第となります。
住宅ローン控除を活用したい方は、2025年中の入居を検討することをおすすめします。
(参考:国土交通省「住宅ローン減税」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html)
8. 私の結論
「絶対の正解」はない
私は宅建士として10年以上、持ち家を購入される方も、賃貸を選ばれる方も、どちらのお客様もサポートしてきました。
その経験から言えるのは、「持ち家が正解」とも「賃貸が正解」とも言い切れないということです。
私の見解
ただ、2025年の市場環境を踏まえると、以下のような傾向はあると考えています。
①住宅ローン金利は依然として低水準 変動金利は0.5%前後、固定金利でも1%台という低金利環境が続いています。これは持ち家購入にとって追い風です。
②住宅価格は高騰傾向 特に都市部では住宅価格が上昇を続けています。「買い時を逃した」と感じている方も多いかもしれませんが、中古住宅やリノベーションという選択肢もあります。
③老後の住まい問題は深刻化 高齢者の賃貸入居審査が厳しくなる中、老後の住まいをどう確保するかは早めに考えておく必要があります。
静岡市の場合
静岡市のような地方都市では、首都圏に比べて住宅価格が抑えられているため、家賃並みの返済額で持ち家を持てるケースが多いです。
私が担当した静岡市駿河区のお客様は、「家賃10万円を払い続けるより、月9万円のローン返済で持ち家を持てるなら」と購入を決断されました。
一方で、転勤の可能性がある大手企業にお勤めの方には、「まだ購入は早いかもしれません。賃貸で様子を見ましょう」とお伝えすることもあります。
大切なのは、ご自身のライフプランに合った選択をすることです。
まとめ
家を買うか借りるかの判断ポイントを3つにまとめます。
①生涯コストでは長く住むほど持ち家が有利になる傾向がある:ただし、住む期間、金利、物件価格などによって結果は変わります。
②持ち家は資産性と老後の安心、賃貸は柔軟性がメリット:どちらが自分のライフスタイルに合っているかを考えましょう。
③住宅ローン控除は2025年まで:税制優遇を活用したい方は、早めの検討をおすすめします。
静岡市で家を買うか借りるか迷っている方は、ぜひAuthentill Styleにご相談ください。持ち家購入のサポートも、賃貸物件のご紹介も、どちらも対応可能です。ご家族のライフプランに合った最適な住まい選びをお手伝いします。
■ 参考データ出典一覧
総務省統計局「令和5年 住宅・土地統計調査」
国土交通省「住宅ローン減税」(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000017.html)
SUUMO「持ち家vs賃貸はどっちが得?」(https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/sumai_nyumon/hikaku/mochiie_chintai/)
三菱UFJ銀行「持ち家と賃貸はどっちがおトク?」(https://www.bk.mufg.jp/column/events/home/0001.html)
アットホーム「2025年5月 首都圏における中古マンションの価格動向」
著者情報

佐須陽介
代表・宅地建物取引士
宅地建物取引士(静岡) 第 025298号 賃貸不動産経営管理士(2)第 059325号 住宅ローンアドバイザー
業界歴15年
静岡市出身、現在は静岡市を拠点に不動産仲介・コンサルティング業務を手掛けています。これまで新築・中古マンション、戸建、賃貸管理まで幅広く携わってきました。
数多くのお客様の住まい選びをサポート。住宅ローンの借り換え支援なども含め、現実的な選択肢を提示することに定評があります。
静岡市を拠点に不動産仲介・コンサルティング業務を手掛けています。私自身もかつて住宅ローンの借り換えを経験し、「数字に強く、現実的な選択肢を示すこと」を常に心がけています。代表メッセージ(Authentill Style)にあるように、お客様に寄り添い、安心できる住まい選びを一緒に進めたいと心から願っています。
この著者の記事一覧 →