【2025年版】貸家(一軒家)の選び方|一戸建て賃貸のメリット・デメリットを宅建士が解説

目次

  1. 貸家(一軒家賃貸)とは?

  2. 一戸建て賃貸のメリット

  3. 一戸建て賃貸のデメリット・注意点

  4. マンション・アパートとの比較表

  5. 一戸建て賃貸が向いている人

  6. 物件の探し方・選び方のポイント

  7. よくある質問(FAQ)

  8. まとめ


導入

「子どもが生まれたので、もっと広い家に住みたい」 「ペットを飼いたいけど、マンションでは難しい」 「庭付きの一軒家に住みたいけど、購入はまだ考えていない」

こうしたご相談を、私は賃貸仲介の現場で数多くいただいてきました。

貸家(一軒家の賃貸)は、マンションやアパートとは違った魅力がある住まいの選択肢です。ただし、物件数が少なく、探すのが難しいという特徴もあります。

この記事では、一戸建て賃貸のメリット・デメリット、選ぶ際の注意点、効率的な探し方を、私の実務経験を交えて解説します。


1. 貸家(一軒家賃貸)とは?

一戸建て賃貸の定義

貸家とは、一戸建て住宅を借りて住む賃貸物件のことです。マンションやアパートのような集合住宅ではなく、建物1棟をまるごと借りる形態になります。

(参考:UR賃貸住宅「一戸建て賃貸の注意点」https://www.ur-net.go.jp/chintai/college/202207/000918.html

なぜ貸家は少ないのか

不動産ポータルサイトで検索すると、一戸建て賃貸の物件数がマンション・アパートに比べて少ないことに気づくでしょう。

その理由は、賃貸経営で利益を見込めるアパートやマンションの方が優先して建てられるからです。一戸建ては土地の利用効率が低く、投資目的で建てられることが少ないのが実情です。

貸家が市場に出る主なパターン

私の経験では、一戸建て賃貸が募集される主なケースは以下の2つです。

①転勤などで一時的に家を空ける場合

オーナーが転勤や海外赴任などで自宅を離れる際、空き家にするよりも賃貸に出すケースです。この場合、**定期借家契約(契約期間が決まっている)**になることが多いです。

②相続などで空き家になった物件

親が住んでいた実家を相続したが、住む予定がないため賃貸に出すケースです。このパターンでは築年数が古い物件が多い傾向があります。


2. 一戸建て賃貸のメリット

メリット①:騒音トラブルが少ない

一戸建て賃貸の最大のメリットは、上下階の住人がいないことです。

マンションやアパートでは、子どもが走り回る足音や生活音が階下に響いて、トラブルになることがあります。

(参考:SUUMO「一戸建ての賃貸って暮らしやすい?」https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chintai/fr_room/kodate_chintai/

一戸建てであれば、隣家との距離もあるため、子育て世帯やペットを飼っている方でも、比較的気兼ねなく暮らすことができます。

私が静岡市で担当したお客様の中にも、「マンションで子どもの足音を注意されてストレスだった」という理由で一戸建て賃貸を探される方がいらっしゃいました。

メリット②:専用の庭・駐車場がある

多くの一戸建て賃貸には、専用の庭やカースペースが付いています。

庭があれば、ガーデニングや家庭菜園、子どもやペットの遊び場として活用できます。マンションのベランダでは難しい楽しみ方ができるでしょう。

また、駐車場が敷地内にあれば、別途駐車場代がかからないケースも多いです。静岡市では車が必須の生活をされる方も多いので、これは大きなメリットです。

メリット③:広い間取り・収納スペース

一戸建て賃貸は、一般的なマンション・アパートに比べて部屋数が多く、収納スペースも広い傾向があります。

特に子育て世帯や3世代同居など、家族の人数が多い場合には、4LDK以上の間取りが必要になることがあります。賃貸マンションでは4LDK以上の物件は限られていますが、一戸建て賃貸であれば選択肢が広がります。

メリット④:ライフスタイルの変化に対応しやすい

一戸建てを購入すると、転勤や家族構成の変化があっても簡単に引っ越すことができません。住宅ローンの返済も続きます。

一戸建て賃貸であれば、購入に比べてライフスタイルの変化に柔軟に対応できます

「いずれは持ち家を購入したいけど、今はまだ様子を見たい」という方にとって、一戸建て賃貸は良い選択肢になります。

メリット⑤:固定資産税がかからない

持ち家であれば、毎年固定資産税がかかります(一般的な戸建てで年10〜15万円程度)。

賃貸であれば固定資産税を支払う必要はありません。また、建物の修繕費用も基本的には大家さんの負担となります。


3. 一戸建て賃貸のデメリット・注意点

デメリット①:物件数が少ない

一戸建て賃貸の最大のデメリットは、物件数が少なく、希望に合う物件を見つけにくいことです。

特に駅近や人気エリアでは競争率が高く、条件を絞ると見つからないこともあります。

私の実務経験でも、「一戸建て賃貸を探しています」というご相談をいただいても、ご希望のエリア・予算・間取りに合う物件がない、ということは少なくありません。

デメリット②:築年数が古い物件が多い

一戸建て賃貸は、オーナーが住まなくなった物件を貸し出すケースが多いため、築年数が古い物件が中心です。

築20年、30年の物件も珍しくありません。設備が古かったり、断熱性能が低かったりする場合があるので、内見時にしっかり確認することが大切です。

(参考:UR賃貸住宅「一戸建て賃貸の注意点」https://www.ur-net.go.jp/chintai/college/202207/000918.html

デメリット③:定期借家契約の場合がある

築浅の一戸建て賃貸は、オーナーが転勤などで一時的に貸し出しているケースが多く、**定期借家契約(契約期間が決まっている)**になることがあります。

定期借家契約の場合、契約期間が終了すると更新ができず、退去しなければなりません。「この家に長く住みたい」と思っても、オーナーの都合で退去を求められる可能性があることは理解しておきましょう。

契約前に「普通借家契約か、定期借家契約か」を必ず確認してください。

デメリット④:家賃がマンションより高め

一戸建て賃貸は、同じエリアのマンション・アパートに比べて家賃が高めになる傾向があります。

敷地面積が広く、建物全体を借りることになるため、当然といえば当然です。

また、敷金・礼金などの初期費用も、家賃に比例して高くなることがあります。

デメリット⑤:庭の手入れ・メンテナンスが必要

庭付きの一戸建て賃貸は魅力的ですが、庭の手入れは入居者の負担になることが一般的です。

草刈りや落ち葉の掃除など、定期的なメンテナンスが必要です。「庭は欲しいけど手入れは面倒」という方は、庭が小さい物件を選ぶか、事前に覚悟しておく必要があります。

デメリット⑥:セキュリティ面の不安

マンションのようなオートロックや管理人がいないため、防犯面では自分で対策を講じる必要があります。

一戸建ては窓が多く、1階にも窓があるため、マンションに比べて侵入されやすい構造になっています。防犯カメラやセンサーライト、補助錠の設置などを検討しましょう。

デメリット⑦:町内会・自治会への参加

一戸建ては住宅街にあることが多く、町内会や自治会への参加を求められることがあります。

地域によっては清掃活動やお祭りへの参加が期待されることも。マンションではあまり経験しないことなので、事前に不動産会社に確認しておくと良いでしょう。


4. マンション・アパートとの比較表

項目

一戸建て賃貸

賃貸マンション・アパート

物件数

少ない

多い

騒音トラブル

少ない

上下階・隣室あり

庭・駐車場

専用で付いていることが多い

共用または別契約

間取り・広さ

広め(3LDK〜5LDK)

1R〜3LDKが中心

家賃水準

やや高め

幅広い価格帯

築年数

古い物件が多い

新築・築浅も多い

セキュリティ

自己対策が必要

オートロック等あり

庭の手入れ

入居者負担が多い

不要

町内会参加

求められることがある

少ない

※自社作成の比較表


5. 一戸建て賃貸が向いている人

私の実務経験から、一戸建て賃貸が向いている方の特徴をまとめました。

向いている人

①小さなお子さんがいるファミリー

子どもの足音や泣き声を気にせず暮らしたい方。広い間取りで子ども部屋も確保できます。

②ペットを飼っている(飼いたい)方

庭付きの一戸建てなら、ペットものびのび暮らせます。ただし、ペット可の一戸建て賃貸は限られているので要確認。

③車を複数台所有している方

敷地内に2台以上駐車できる物件も。静岡市では車が必須の方も多いので、駐車場付きは大きなメリットです。

④在宅ワークで仕事部屋が必要な方

部屋数が多い一戸建てなら、仕事専用の部屋を確保しやすいです。

⑤購入前に一戸建て暮らしを試したい方

「いずれは一戸建てを購入したいけど、まずは賃貸で試してみたい」という方にもおすすめです。

向いていない人

①利便性・駅近を重視する方

一戸建て賃貸は住宅街にあることが多く、駅近物件は限られています。

②新しい設備・デザインにこだわる方

築年数が古い物件が多いため、最新設備やおしゃれなデザインを求める方には向きません。

③長期間同じ場所に住みたい方

定期借家契約の場合、契約期間終了で退去を求められる可能性があります。


6. 物件の探し方・選び方のポイント

探し方のコツ

①大手ポータルサイトを複数チェック

SUUMO、アットホーム、ホームズなど複数のサイトで「一戸建て」「貸家」で検索しましょう。サイトによって掲載物件が異なることがあります。

②地域密着型の不動産会社に相談

一戸建て賃貸は、大手ポータルサイトに掲載されていない物件も少なくありません。地元の不動産会社に「一戸建て賃貸を探している」と伝えておくと、非公開物件を紹介してもらえることがあります。

私のいる静岡市でも、オーナーさんから直接お預かりしている一戸建て賃貸で、ポータルサイトには掲載していない物件があります。

③条件を絞りすぎない

物件数が少ないため、条件を絞りすぎると見つからないことがあります。「エリアは広めに」「築年数にはこだわらない」など、優先順位を決めて柔軟に探しましょう。

内見時のチェックポイント

①耐震性

1981年6月以前に建てられた物件は「旧耐震基準」です。建築年月を確認し、不安があれば避けた方が無難です。

②水回りの状態

築年数が古い物件では、キッチン・浴室・トイレなど水回りの劣化を確認しましょう。

③断熱性・窓の状態

古い物件は断熱性能が低いことがあります。サッシや窓ガラスの状態、隙間風の有無をチェックしましょう。光熱費に直結します。

④庭の状態

庭の手入れが行き届いているか、どの程度のメンテナンスが必要かを確認しましょう。

⑤周辺環境

昼だけでなく、可能であれば夜の雰囲気も確認することをおすすめします。

契約時の確認事項

①契約形態

普通借家契約か、定期借家契約かを必ず確認してください。

②修繕費用の負担範囲

どこまでが大家負担で、どこからが入居者負担かを確認しましょう。

③庭や駐車場の利用ルール

庭の植木の手入れ、駐車場の利用台数など、細かいルールを確認しておきましょう。


静岡市で一戸建て賃貸をお探しの方は、Authentill Styleにご相談ください。ポータルサイトに掲載していない物件情報もご紹介できる場合があります。


7. よくある質問(FAQ)

Q1: 一戸建て賃貸の家賃相場はどのくらいですか?

A: 地域や築年数、間取りによって大きく異なります。

同じエリアの賃貸マンションに比べると、1〜3万円程度高めになることが多いです。

例えば、静岡市で3LDKのマンションが8万円前後の場合、同程度の広さの一戸建て賃貸は10万円前後になることがあります。

Q2: 敷金・礼金はどのくらいかかりますか?

A: 物件によりますが、敷金1〜2ヶ月、礼金0〜2ヶ月が一般的です。

家賃が高い分、初期費用も高くなる傾向があります。初期費用を抑えたい場合は、敷金・礼金ゼロの物件を探すか、交渉してみましょう。

Q3: 庭の手入れはどこまでやらないといけませんか?

A: 契約内容によりますが、草刈りや落ち葉の掃除など日常的な手入れは入居者負担が一般的です。

一方、植木の大規模な剪定や樹木の伐採は大家負担になることが多いです。契約前に確認しておきましょう。

Q4: 設備が壊れた場合、誰が修理費用を負担しますか?

A: 経年劣化による故障は、原則として大家さん(オーナー)の負担です。

(参考:国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」)

ただし、入居者の故意や過失による破損は入居者負担になります。故障した場合は、まず大家さんか管理会社に連絡しましょう。

Q5: 定期借家契約の場合、更新はできますか?

A: 定期借家契約は原則として更新ができません

契約期間が終了すると退去しなければなりません。ただし、オーナーとの合意があれば「再契約」できることもあります。

長く住みたい場合は、普通借家契約の物件を選ぶか、契約前に「再契約の可能性」について確認しておきましょう。


8. まとめ

一戸建て賃貸(貸家)の選び方のポイントを3つにまとめます。

メリットを活かせるか確認する:騒音を気にせず暮らしたい、庭や駐車場が欲しいなど、一戸建ての特徴が自分のライフスタイルに合っているかを考えましょう。

デメリット・注意点を理解する:物件数の少なさ、築年数の古さ、定期借家契約の可能性、庭の手入れなど、マンションにはないデメリットを理解したうえで判断しましょう。

複数のルートで探す:物件数が少ないため、大手ポータルサイトだけでなく、地域密着型の不動産会社にも相談することで、選択肢が広がります。

静岡市で一戸建て賃貸をお探しの方は、ぜひAuthentill Styleにご相談ください。お客様のご希望をお伺いしたうえで、マンション・アパートも含めて最適な物件をご提案いたします。


■ 参考データ出典一覧

著者情報

佐須陽介

佐須陽介

代表・宅地建物取引士

宅地建物取引士(静岡) 第 025298号 賃貸不動産経営管理士(2)第 059325号 住宅ローンアドバイザー

業界歴15

静岡市出身、現在は静岡市を拠点に不動産仲介・コンサルティング業務を手掛けています。これまで新築・中古マンション、戸建、賃貸管理まで幅広く携わってきました。

数多くのお客様の住まい選びをサポート。住宅ローンの借り換え支援なども含め、現実的な選択肢を提示することに定評があります。

得意分野: 不動産仲介、住宅ローンアドバイス、賃貸管理、不動産コンサルティング
趣味: 釣り、映画鑑賞、子どもと過ごす時間。休日には街を歩きながら、地域の魅力を再発見することが楽しみです。

静岡市を拠点に不動産仲介・コンサルティング業務を手掛けています。私自身もかつて住宅ローンの借り換えを経験し、「数字に強く、現実的な選択肢を示すこと」を常に心がけています。代表メッセージ(Authentill Style)にあるように、お客様に寄り添い、安心できる住まい選びを一緒に進めたいと心から願っています。

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