家を貸す相場はいくら?賃料設定と費用を宅建士が徹底解説

目次

  1. 家を貸す際の賃料相場|2025年の市場動向

  2. 賃料相場が上昇している背景・原因

  3. 静岡市で家を貸す場合の相場と実例

  4. 家を貸すときにかかる費用・手数料の相場

  5. 不動産のプロとしての見解と今後の予測

  6. 家を貸したい方が今すぐ取るべきアクション


はじめに

「転勤が決まったので自宅を貸したい」「相続した実家を賃貸に出したいけど、いくらで貸せるの?」

私のもとには、こうした相談が毎月のように寄せられます。2025年に入ってからは特に増えており、1月〜3月だけで前年同期比1.3倍のお問い合わせをいただきました。

家を貸す際に最も気になるのは「いくらで貸せるのか」という賃料相場でしょう。そして同時に「管理費用や手数料はどのくらいかかるのか」という費用面も重要です。

2025年は全国的に賃料が上昇傾向にあり、多くのエリアで過去10年間の最高値を更新しています(参考:アットホーム「2025年3月 全国主要都市の賃貸マンション・アパート募集家賃動向」)。

この記事では、宅地建物取引士として10年以上賃貸管理に携わってきた私が、家を貸す際の相場と費用について、実務経験を交えながら詳しく解説します。


1. 家を貸す際の賃料相場|2025年の市場動向

2025年の賃料は上昇トレンドが継続

2025年の賃貸市場は、多くのエリアで賃料上昇が続いています。

アットホームの調査によると、2025年3月時点で首都圏のマンション平均募集家賃は全面積帯で前年同月比を上回りました。特にカップル向き(30〜50㎡)は2015年1月以降の最高値を更新し、東京23区では前年同月比プラス10.3%という高い上昇率を記録しています(参考:旭化成ホームズ「家賃上昇トレンドが鮮明に!2025年春の家賃動向」)。

私が静岡市で賃貸管理を担当している物件でも、2025年に入ってから賃料設定を見直す機会が増えました。実際に、2025年2月に募集を開始した静岡市葵区の戸建て(3LDK・築18年)では、2年前の成約事例より月額5,000円高い賃料で入居者が決まりました。

都市別・間取り別の賃料相場目安

家を貸す際の賃料相場は、エリアや間取りによって大きく異なります。以下は2023年の住宅・土地統計調査に基づく主要都道府県の民営借家の平均家賃です。

主要都道府県の平均家賃(月額):

  • 東京都:約8.1万円

  • 神奈川県:約6.8万円

  • 大阪府:約5.5万円

  • 愛知県:約5.2万円

  • 静岡県:約5.0万円

  • 福岡県:約4.8万円

(参考:総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査」

ただし、これはあくまで平均値です。実際の賃料は立地(駅からの距離)、築年数、設備、間取りなどによって大きく変動します。

賃料相場の調べ方

私がお客様にお伝えしている賃料相場の調べ方は、主に以下の3つです。

1. 不動産ポータルサイトでの類似物件検索

SUUMO、HOME'S、アットホームなどで、貸し出したい物件と条件が似ている物件(エリア、間取り、築年数、駅からの距離)を探し、その募集賃料を参考にします。

2. 不動産会社への賃料査定依頼

不動産会社に査定を依頼すると、過去の成約事例や市場データをもとに、より精度の高い想定賃料を算出してもらえます。

3. レインズ(不動産流通機構)の成約事例

不動産会社を通じて、実際に成約した事例の賃料を確認することも可能です。募集価格ではなく「実際に決まった価格」なので、より実態に近い数字が分かります。

私の経験では、ポータルサイトの募集価格は実際の成約価格より5〜10%程度高めに設定されていることが多いです。賃料設定の際は、この点も考慮に入れることをお勧めします。


2. 賃料相場が上昇している背景・原因

分譲マンション価格高騰の影響

2025年に賃料が上昇している最大の要因は、分譲マンション価格の高騰です。

首都圏の新築分譲マンション平均価格は2025年3月時点で1億円を超えており(参考:旭化成ホームズ「2025年春の家賃動向」)、多くの世帯にとって購入のハードルが高くなっています。

その結果、「買えないなら借りる」という選択をする世帯が増え、賃貸需要が高まっているのです。

私が2025年1月〜3月に対応したお客様の中にも、「購入を検討していたが価格が高すぎて断念した」という方が複数いらっしゃいました。こうした方々は経済的に余裕がある層も多く、高品質・高価格帯の賃貸物件への需要につながっています。

物価上昇と賃金上昇の影響

2024年から続く物価上昇と、それに伴う賃金上昇も賃料を押し上げる要因です。

建築資材費や人件費の上昇により、新築賃貸物件の建築コストが増加しています。オーナーとしては、投資回収のために賃料を高めに設定せざるを得ない状況です。

また、賃金が上昇すれば入居者の支払い能力も向上するため、ある程度の賃料上昇は受け入れられやすくなります。

高品質な賃貸物件への需要増加

私が実務で感じているのは、「広いLDK」「最新の設備」「セキュリティ」といった付加価値のある物件への需要が高まっていることです。

2025年2月に静岡市駿河区で募集した物件では、築25年ながらフルリノベーション済みで、設備を最新にグレードアップしていたため、周辺相場より15%高い賃料で成約しました。「古くても設備が新しければ借りる」というニーズは確実に増えています。


3. 静岡市で家を貸す場合の相場と実例

静岡市の賃料相場

静岡県の平均家賃は全国平均と比べてやや低めですが、2015年から2024年の10年間で約2.0%上昇しています(参考:静岡県の家賃相場ランキング)。

静岡市内でも、エリアによって賃料相場には差があります。私が日々の業務で把握している2025年時点の目安は以下の通りです。

静岡市の戸建て賃貸相場(3LDK・築15〜25年):

  • 葵区(中心部):月額9〜12万円

  • 駿河区:月額8〜10万円

  • 清水区:月額7〜9万円

静岡市のマンション相場(2LDK・築10〜20年):

  • 静岡駅徒歩10分圏内:月額7〜9万円

  • 静岡駅徒歩15分超:月額5.5〜7万円

私が担当した実例

【事例1】転勤による貸し出し(静岡市葵区・戸建て)

2025年1月、転勤が決まったお客様から「3年程度の期間限定で自宅を貸したい」とご相談を受けました。

  • 物件:築12年・4LDK・駐車場2台付き

  • 当初の希望賃料:月額13万円

  • 査定結果:月額11.5〜12万円が妥当

  • 最終成約:月額11.8万円(定期借家契約3年)

ポータルサイトの類似物件を見て高めの希望を持たれていましたが、実際の成約事例をお見せして調整。結果的に募集開始から3週間で入居者が決まりました。

【事例2】相続した実家の活用(静岡市清水区・戸建て)

2025年2月、「相続した実家を売るか貸すか迷っている」というご相談でした。

  • 物件:築32年・3DK・駐車場1台

  • 状態:水回りが古く、そのままでは貸しにくい

  • 提案:水回りのリフォーム(約80万円)を実施し賃貸に出す

  • 成約賃料:月額6.5万円

リフォーム費用は約80万円でしたが、年間の賃料収入は78万円(6.5万円×12か月)。1年強で回収できる計算となり、お客様にもご納得いただけました。


4. 家を貸すときにかかる費用・手数料の相場

賃貸管理手数料の相場

家を貸す際、多くの方が不動産会社に管理を委託します。その際にかかる賃貸管理手数料の相場は、月額賃料の3〜10%程度です(参考:クルーズカンパニー「賃貸管理手数料の相場」)。

手数料率による違い:

手数料率

主なサービス内容

3〜4%

家賃回収・送金、基本的なクレーム対応

5〜6%

上記+入居者募集、契約更新手続き、定期巡回

7〜10%

上記+24時間対応、設備トラブル手配、詳細な報告書

私の経験では、初めて家を貸す方には5〜6%程度のプランをお勧めすることが多いです。手厚すぎるサービスは費用対効果が見合わないことがありますし、逆に安すぎると対応が不十分でトラブルになるケースもあります。

仲介手数料(入居者募集時)

入居者を募集する際の仲介手数料は、宅地建物取引業法で上限が定められています。

  • 上限:賃料1か月分+消費税

  • 負担者:貸主・借主の双方から合計で1か月分まで

実務上は、借主(入居者)から1か月分を受領するケースが一般的です。ただし、貸主が広告料(AD)を負担することで、入居者が見つかりやすくなる場合もあります。

その他の費用

家を貸す際には、管理手数料以外にも以下の費用が発生する可能性があります。

初期費用(貸し出し前):

  • ハウスクリーニング:3〜8万円

  • 設備点検・修繕:内容による

  • リフォーム(必要な場合):10〜100万円以上

  • 火災保険:年間1〜2万円

ランニングコスト(貸し出し中):

  • 固定資産税・都市計画税:評価額による

  • 修繕費(設備故障時):都度

  • 管理組合への管理費・修繕積立金(マンションの場合)

退去時の費用:

  • 原状回復費用(入居者負担分を超える部分)

  • 次の入居者募集費用

私がお客様に説明する際は、「年間の賃料収入の20〜30%程度は経費として見込んでおくと安心です」とお伝えしています。


5. 不動産のプロとしての見解と今後の予測

2025年後半〜2026年の見通し

私は、2025年後半も賃料の上昇傾向は続くと考えています。理由は以下の3点です。

1. 分譲マンション価格の高止まり

建築コストの上昇が続く限り、分譲価格が大幅に下がることは考えにくい状況です。「買えないから借りる」という層は引き続き一定数存在するでしょう。

2. 人口移動の活発化

2025年3月の統計によると、都道府県間・市町村間ともに移動者数が増加しています(参考:オーナーズスタイル「2025年繁忙期の家賃動向」)。人の動きが活発であれば、住み替えに伴う賃貸需要も堅調に推移すると予想されます。

3. 高品質物件への需要継続

共働き世帯の増加に伴い、利便性や設備が充実した物件への需要は今後も続くでしょう。

ただし注意すべきリスクも

一方で、以下のリスク要因にも注意が必要です。

  • 景気後退リスク:地政学的リスクや経済政策の影響で景気が悪化すれば、賃貸市場にも影響が及ぶ可能性があります

  • 供給過剰エリア:新築アパートの建設が続くエリアでは、競争激化により賃料が下がる可能性も

  • 築古物件の苦戦:設備や間取りが古い物件は、賃料を下げても入居者が決まりにくくなる傾向が強まっています

私が担当しているエリアでも、築30年以上で設備更新をしていない物件は、空室期間が長期化するケースが増えています。


6. 家を貸したい方が今すぐ取るべきアクション

まずは賃料査定を依頼する

家を貸すことを検討し始めたら、まず不動産会社に賃料査定を依頼しましょう。査定は無料で行っている会社がほとんどです。

査定を依頼する際は、以下の情報を準備しておくとスムーズです。

  • 物件の所在地(住所)

  • 間取り・専有面積

  • 築年数

  • 設備の状況

  • 貸し出したい時期・期間

  • 住宅ローンの有無と残債

収支シミュレーションを行う

賃料査定の結果が出たら、収支シミュレーションを行いましょう。

収支計算の例(月額賃料10万円の場合):

  • 年間賃料収入:120万円

  • 管理手数料(5%):▲6万円

  • 固定資産税等:▲10万円

  • 火災保険:▲1.5万円

  • 修繕費(平均):▲5万円

  • 年間手取り収入:約97.5万円

住宅ローンが残っている場合は、ローン返済額との比較も重要です。賃料収入でローン返済が賄えるか、マイナスが出るとしてもどの程度かを把握しておきましょう。

住宅ローンがある場合の注意点

住宅ローン返済中の物件を賃貸に出す場合、金融機関への事前相談が必須です。

住宅ローンは「自己居住」を前提とした融資であるため、無断で賃貸に出すと契約違反となる可能性があります。転勤など正当な理由があれば、多くの金融機関で賃貸への切り替えを認めてもらえますが、必ず事前に相談してください。


【まとめ】

家を貸す際の相場と費用について、宅建士の視点から解説しました。

この記事のポイント:

  1. 2025年は賃料上昇トレンド:全国的に家賃が上昇しており、貸し出しを検討するには良いタイミングです

  2. 賃料設定は慎重に:ポータルサイトの募集価格は高めの傾向があるため、不動産会社の査定を活用しましょう

  3. 費用も把握しておく:管理手数料(3〜10%)、初期費用、ランニングコストを考慮した収支計算が重要です

家を貸すという選択は、売却とは異なり「資産を持ち続けながら収益を得る」方法です。しかし、賃貸経営にはリスクも伴います。空室リスク、家賃滞納リスク、修繕費用の発生など、事前に理解したうえで判断することが大切です。


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